8月25日
洞爺湖をぐるっと気持ち良く周回した後のトンネル通過でリアタイヤがパンクしてテンションがいっきに下がってしまいましたが、まだまだ序盤ですので走っているうちにテンションは高まるはず。
7月の道東の旅の時は北海道とは思えない暑さに苦労しましたが、8月後半になると北海道は北海道らしく過ごしやすい気温と湿度になっているため、自転車で走るにはベストシーズンかもしれません。さらに今日は青空ですので、1時間も走ればパンクのことはすっかり忘れていました。
戊辰戦争で新政府軍に敗れた仙台藩が北海道に移り住んで開拓したのが今の伊達市。そこにある道の駅「だて歴史の杜」には大手門があり、“伊達政宗”の兜をモデルにした巨大な兜が展示されています。
朝から走り始めてそろそろ3時間。自転車を走らせていると無性に甘いものを食べたくなります。濃厚ミルクのソフトクリームをいただきます。
「1両編成の列車」を見ると田舎らしさを感じます。乗客数を予めシミュレーションしているのか、昨日の通学時間帯は「2両編成」でした。
国道を外れて海沿いの道を走ると、海の向かうに見える山が気になって仕方ありません。あの山は何でしょうか。そんなことを考えながら走ると「白鳥大橋」が見えてきました。
白鳥大橋を渡れば「地球岬」はすぐそこです。ところが橋の手前が複雑で少しばかり迷子になり、改めて橋に行く道を進むと、なんと「自転車通行禁止」です。
地図を確認すると代わりになる橋らしきものはどこにもありません。さてどうすれば良いのでしょうか。とりあえず、地球岬の方角に行く道が現れるまで東に向かって走り続けます。
結局、かなり大回りして、さらに向かい風に苦しみ、そして最後の激坂をひたすら押し歩いて、やってきました地球岬へ。写真は妙にSFちっくな姿をした公衆電話です。
はい、ここが地球が丸く見える観光スポットとして超有名な地球岬です。写真では伝わらないので現地に行って自分の目で見ることをお勧めします。
反対側の景色を見れば、激坂をひたすら押し歩いたことが写真でも伝わるでしょうか。
パンク&白鳥大橋が通れないという大幅なタイムロスのため、登別温泉に着くのが遅れてしまいます。実は白鳥大橋が通れないと分かった時点で地球岬を諦めるという選択肢もありましたが、それでは何のために大型車の往来が多い室蘭市を走ったのか分かりません。どこかでリカバリーできるはず…
ということで、定番の「雨の翌日は強い西風」にアシストされ、あっという間に登別温泉の入り口に到着。巨大な「登別東高速IC前の歓迎鬼像」が出迎えてくれます。
登別温泉には鬼の像が設置されているため、今回の旅でそれらをコンプリートします。まずはJR登別駅にあるはずの「歓迎鬼像」を探してみましたが全く見当たらず、駅員に聞いてみたところ祭りのために登別温泉に運ばれていったらしく、どこにあるのかは観光協会に問い合わせて欲しいとのこと。
地図の上では登別温泉はすぐそこですが、JR登別駅からひたすら上りです。途中からは荷物満載では苦行とも思える上りが続きますが、本日のゴール目指してもうひと踏ん張り。
登別温泉は平日にも関わらず観光客で賑わっていますが、半数以上は外国からの訪問かもしれません。
宿に荷物を預けて、身軽になったブロンプトンで鬼の像の探索に取り掛かります。まずは観光協会でJR登別駅前の像がどこにあるのか確認しますが、祭りの神輿として使うため、現在どうなっているのか良く分からないらしく、場所の特定は不可能。
とりあえず、登別温泉の観光マップを見ながらぶらぶらしますか。
湯かけ鬼蔵
閻魔堂
閻魔堂の奥では祭りの準備をしているようです。扉があるため、時間帯によっては拝見できないかもしれません。
シンボル鬼 商売繁盛鬼像
鬼祠 念仏鬼像
えっちらおっちら坂を上っていると、登別の観光協会のWebサイトで見た鬼の像を発見。これが「JR登別駅前 歓迎鬼像」ですね。
ついでに「登別地獄谷」を少しだけ見ましたが、あちこち見に行ったことで特別感は特にありません。
歓迎親子鬼像
やたらと「歓迎」の鬼の像がありますが、置かれている場所を理解すればそれぞれが歓迎であることが分かります。
シンボル鬼 恋愛成就
シンボル鬼 合格祈願
これで一通りコンプリートでしょうか。
宿の温泉でのんびりしたあとは、今夜も豪華なバイキングです。
昨日は途中で胃袋に限界がきてギブアップしましたが、今夜はデザートまで辿り着きました。「デザートは別腹」を改めて実感しましたが、限界の一歩手前でターゲットをデザートに切り替えるとなぜか腹に入ります。不思議なものです。
食後に再び温泉に入りますが、ここの温泉の効能が「筋肉痛、神経痛、疲労回復、五十肩」ですので、今の私に必要なものばかりです。
8月26日
翌朝もほぼ貸し切り状態の温泉に入ってから朝の散歩。鬼の像を1体忘れていたのです。
泉源公園の鬼っこ
これで鬼の像をコンプリートです。
朝食バイキングはいつもより少なめ。品数が少ないわけではなく、無意識にセーブしてしまいます。やはり昨夜の食べ過ぎが原因かもしれません。
午前8時、宿を出発。JR登別駅から登別温泉に向かった場合、登別温泉の手前に新しい道ができたことで旧道が遊歩道になっています。新しい道はセンターポールがあるため、この区間が上りになる復路は旧道を使いましょう。
苫小牧目指してひたすら走ります。この区間の観光は既に済ませてあるため国道を使いますが、苫小牧市内に入るまでは快走路を気持ちよく走り続けることができます。
登別温泉からJR苫小牧駅まで約48kmありますが、ブロンプトンで2時間で走破。もちろん追い風アシストのお陰です。
わざわざ駅に立ち寄った理由は荷物をコインロッカー(400円)に入れるためです。JR苫小牧駅はローカル駅ではないため、意外にも広いです。
身軽になったブロンプトンで今回の2.5日間サイクリングのラストステージ目指して走り続けます。南西の風のため苫小牧から千歳までも追い風アシスト。ただ、ブロンプトンで走り続けと疲労が蓄積されるため小休憩が必要ですが、撮影ポイントが全くない区間だと停まるタイミングが難しいです。
登別温泉から76km走ってようやくスタート地点に到着しました。時刻は11時30分ですので、ブロンプトンとは思えない速度で走ったようです。風の力は偉大です。
「支笏湖サイクリングロード」を上り始めるとゴールの支笏湖まで補給ポイントはゼロですので、数百メートル走ったところで中断してコンビニを探します。水分と糖分を補給して、さらにペットボトル2本をリュックに入れてリスタート。
快適なサイクリングロードを期待していましたが、序盤は非常に走りにくいです。25km/hを維持するのは無理です。そして途中で急坂区間もあって、このペースだと大幅なタイムロスになりそうな雰囲気。
幹線道路と並走する区間になると路面状態がよくなります。隣の道は大型車も含めて車の往来が多く、さらに道幅がそれほど広くないため、もし自転車で支笏湖へ行くのなら支笏湖サイクリングロードを使うことが大前提かもしれません。
支笏湖まで残り8kmほどでしょうか。日差しは照っていますが、目指す支笏湖が厚い雲に覆われています、なんとなく嫌な予感がするため雨雲レーダーをチェックすると、なんと雷雨が迫ってきています。運が良ければギリギリのタイミングで支笏湖に辿りつけるかなと期待していましたが、ソフトバンクの電波が弱くて更新されなかったのか、雨雲はすぐ近くまで来ています。やばいなぁやばいなぁ、雨宿りする場所などないよ…
悲劇は突然やってきました。ポツポツ来たと思った十数秒後には土砂降りです。慌てて簡易カッパを羽織って少しでも雨を弱めてくれそうな場所に隠れます。そして簡易カッパの下に自転車用のカッパも来ます。頭上では雷が鳴り響いているため、動くのは危険ですし、さすがに豪雨の中を走ろうとは思いません。とにかく雷雲が通り過ぎるのをじっと待ちます。
待つこと25分、ようやく小雨になったため、ゆっくりと進みます。
先ほどの雷豪雨が嘘のように晴れ間が見え隠れしています。改めて雨雲レーダーをチェックするとこの先には雨雲はないようです。通り雨とはいえ「雷豪雨」は勘弁して欲しいものです。雨に降られる前に必死の形相のロード乗りに3名ほどすれ違いましたが、あれは雷豪雨に追いつかれないように頑張って走っていたようです。でも、あのタイミングだと確実につかまっていますね。
14時、日差しが強い晴天の支笏湖に到着。
支笏湖から苫小牧へ下るルートにも自転車道がありますが、正式な名称は無いようです。
せっかくですから走ってみますが、これが非常に走りにくい嫌な感じです。だからといってすぐに幹線道路に出ることもできず我慢の走行。一区間走ったところで幹線道路に出て下ります。こちらの道は少し広いため、下る場合はそれほど車の邪魔にはならないはずです。大型車が近づいてきた場合は追い抜きされやすいように減速して路肩部分を惰性で走ります。後ろから迫ってくる車がいないことを確認してから気合を入れて車道を走ります。その方法なら自転車道を走るより半分くらいの時間で下りきるような気がします。
15時15分、予定より15分遅れで苫小牧駅周辺まで戻ってきました。セイコーマートにはオリジナル品がいろいろありますが、このアイスクリームも美味しかったです。
苫小牧駅で荷物を回収して、16時ごろに苫小牧港に戻ってきました。
今回の旅こそは気楽なサイクリングのはずでしたが、相変わらずいろいろと起こるものです。
走行データ
24日 距離:55.1km 獲得標高:231m
25日 距離:126.1km 獲得標高:1002m
26日 距離:134.2km 獲得標高:575m
船旅+サイクリングの出費額 58,299円
内訳
名鉄、直通バス、JR : 2,170
太平洋フェリー : 25,800
ドリンク、おやつ : 5,003
食事 : 5,740
宿泊費 : 17,596
その他 : 1,990