ブロンプトンの旅2017道東編「女満別空港~浜小清水」

日本一周を達成した後の「ブロンプトンの旅」は、なんとなく思い付きで組み込むことが多いのですが、2017年に関しては何かの切っ掛けで急きょ組み込むパターンが続きます。

セントレア空港から北海道へのフライトは新千歳、旭川、女満別からの三択になり、新千歳なら日時によっては割安で利用することができます。しかし、新千歳から各地へJRの特急で移動となれば、時間と交通費が非常にかかるため、愛知から北海道へ行く場合は“行くだけ”でも大変なことです。

2013年の実績
旭川 – 名古屋(中部) 24900円
名古屋(中部) – 新千歳 14400円
旭川 – 名古屋(中部) 24900円
新千歳空港駅-札幌-旭川駅 5750円

2014年の実績
新千歳 – 名古屋(中部) 12310円
旭川 – 名古屋(中部) 20010円
名古屋(中部) – 新千歳 17810円
旭川 – 名古屋(中部) 24710円
※「名古屋(中部) – 女満別」は貯めたマイルを使用

女満別と旭川は似たような金額に設定されているため、2014年6月の遠征ではマイルのお陰で約25000円節約できたのですが、網走に行く場合は、3か月前に旅割でチケットを取っても往復で50000円近く掛かるのです。さすがに北海道の場合は“思い付き”で行けるような交通費ではありません。

ところが、4月の沖縄遠征の直前にANAのメールを見るとなんと驚くようなことが…

「名古屋(中部) – 女満別」が片道8910円という超特売の設定で、17820円で網走まで往復できます。中途半端に残っていたマイルをコインに交換してあったため、それを使えば13820円。これはとりあえずポチッしておこうと、メールを見て10分後にはチケットを確保。「旅割X」の場合は当日中に決済が必要ですので、寝床に入る直前まで悩みながらも決済終了。

「名古屋(中部) – 女満別」の往復を確保したけど、どうしたものかと悩むこと2か月、6月末になってようやくスケジュールが確定。

ところが、なぜか天気が不安定になる予報が出ていて困ったものです。日本一周の時は完全自走が自分ルールでしたが、それ以降は無理に自走に拘る必要はないため、万が一の場合の代替案も用意済み。

とりあえず、初日と二日目の天気は良さそうなため、二日目にメインイベントを設定して、いざ出発。


5日間の予定はこんな感じで、「景色が良いところを走る」と「映画のロケ地巡り」のバランス取りに苦労しました。


いつもの空港バスでセントレアへ移動。最近は妙に名鉄電車が止まるため、往路は必ず空港バスを利用しています。空いている時間帯だったのか、短時間でチェックインできたため空港内のココイチで昼食タイム。


15時30分、女満別空港をスタート。2014年の時は微妙な曇り空でしたが、今回は見事な青空です。しかしながら、とても北海道とは思えない暑さで、走り始めると、あっという間に汗だくになります。


「今度こそはヒマワリを見ることができるはず」と期待を込めて3度目の訪問になる「朝日ヶ丘展望台」にやってきましたが、なぜかヒマワリがありません。ここのヒマワリの開花はいつなのでしょうか。

参考 : 大空町ひまわり畑


気を取り直して「幸福の鐘」を鳴らして今回の旅の安全祈願をします。


朝日ヶ丘展望台の周辺には「映画ロケ地」と書かれた標識があちこちにあります。今回の「ロケ地巡り」と違うような気がしますが、とりあえず標識が示す方角に向かいます。


大空町の道はどこを走ってもジェットコースターのような雰囲気で、気持ち良く下れば、その先にはキツイ上りが待っています。ロードバイクなら惰性で上りきってしまうかもしれませんが、荷物満載のブロンプトンでは序盤から結構疲れます。


「オーヴェールの丘」は『黒澤明監督の映画「夢」の「カラスのいる麦畑」を再現したロケ地』だそうです。この構図になる場所を探してみましたが残念ながら見つかりません。


これまたジェットコースターのような道ですが、こういうところを走っていると「北海道はでっかいどう!」と叫んでしまいます。


さて「感動の径ビューポイントパーキング」にやってきました。どこが「感動の径」なんだろうと、しばしウロウロしてから気が付きましたが、この道そのものが「感動の径(みち)」でした。


ここは「抱きしめたい」や「子ぎつねヘレン」、中国映画の「狙った恋の落とし方」のロケ地です。


ここは「美瑛」のような美しさを感じる風景ですので、映画のロケに使われるのも頷けます。


ここ旧丸万小学校は「子ぎつねヘレン」と「遠くの空へ消えた」のロケ地です。


「遠くの空へ消えた」は観ていませんが、「子ぎつねヘレン」は今回の旅の直前に観たため「あっそうそうこの建物だ」とよく分かります。


作中の下校シーンの構図はこんな雰囲気のはずです。


初日のメインイベントの場所に到着。前回は下調べをせずに、たまたま立ち寄っただけですが、今回はロケ地巡りが観光代わりですので、じっくり楽しみます。


藻琴駅の旧・駅事務室には「トロッコ」という飲食店が入居していて、映画「抱きしめたい」で主人公たちがカレーライスを食べています。「ここのカレーライスを食べる」を今回の旅の目的の一つにしたため、ルート決めに苦労したわけです。要するに営業時間中(10:00~19:00)に訪問する必要があり、ここに寄るためにはこの前後をどうすれば良いのか、そして宿はどこにすれば良いのか…

時刻は17時40分、まだ営業時間中だ、やれやれ、あれ? 扉が閉まっています。


無情にも「本日の営業は終了させていただきました」だと。そんな馬鹿な!!


扉が開かないのかガタガタさせると、店内に人の気配がしますが、なんだか無視されているような。


駅舎の外から店内を覗いてみましたが、完全無視状態。もうガッカリ度100%ですよ。この先の道の駅の食事処の営業時間は終わっていて、他に探すとなれば今夜の宿から随分離れてた場所まで行く必要があります。店主の気まぐれで店を閉めてしまうとは困ったものです。最悪の事態に備えて、ここから先のコンビニで“おにぎり”を調達。


「小清水原生花園」は映画「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」「キタキツネ物語」「子ぎつねヘレン」のロケ地です。前回のようにゆっくり散策したいのですが、夕食の心配があるため先を急ぎます。


6月に訪問した時はあまり開花していなかった「エゾスカシユリ」や「エゾキスゲ」が見ごろになっています。前回のように直行していれば、写真撮影を楽しめたのかもしれません。


「初日にカレーライスを食べる」に拘らなければ、網走から釧路まで列車移動という案もありましたが、今となってはどうしようもありません。

走りながら考えることは「夕食、夕食、夕食…」それだけです。時刻は18時30分過ぎ、道の駅での食事は絶望的です。


ところが、ふと見ると道の駅の隣にラーメン屋があります。灯りが点いているため営業中なのか聞いてみるとなんとかセーフ。野菜味噌ラーメンと唐揚げを美味しくいただきました。


食べ終わって道の駅を覗いてみるかと近づくと、すでに扉は閉まっていました。この「道の駅 はなやか小清水」は不思議な作りをしています。なんとJR釧網本線浜小清水駅を兼ねているのです。


夕暮れ時のトウフツ湖もなかなか絵になります。

19時ごろに宿に到着。さっそくゆっくりと風呂に入りたかったのですが「皆さん隣の温泉に行きます」と言われたので、歩いて数分のところにある古ぼけた温泉宿へ。

タオルを持参するのは仕方がないとしてシャンプーがありません。仕方なく石鹸で頭を洗う始末。湯船は尋常ではない高温でなんと48℃。地元の人曰く、年に数人は熱湯風呂で倒れるそうです。夕方の4時ごろは適温らしいのですが、そこから徐々に高温になっていき、7時を過ぎには拷問風呂になるとのこと。なんじゃそりゃ。そんな温泉を宿が紹介するとは…。結局、300円払ってシャワーを浴びたようなものです。宿の部屋も妙に獣臭くて落ち着けませんでした。


女満別空港~浜小清水

順調なのか波乱の幕開けなのか微妙な初日の走行距離は49.6km、獲得標高は486m、アベレージは21.2km/hでした。



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