北九州「おっぱいバレー」ロケ地巡りサイクリング

福岡空港から出雲空港までの自転車旅ですが、初日と三日目の行程の都合上「芦屋~下関」という短い区間で1日使うことになります。走ることが目的なら、とりあえず門司まで走ったあと、折り返して中津市、または山口市を目指すことも考えられます。日本一周のルートを決めた時に“あえて”「門司~中津」「下関~山口」とも外しましたが、それは走っても楽しいとは思えなかったためです。

それでは普通に走ってしまうと3時間も掛からずに完了してしまう「芦屋~下関」の区間をどうしたらいいのか。

「ブロンプトンで全国制覇の旅」の第二章のネタとして「ロケ地巡り」を取り入れているため、北九州を舞台にした作品を調べてみました。


綾瀬はるか主演「おっぱいバレー」

CATVで放送された時に観ましたが、今回の自転車旅のために改めてブルーレイ版を購入しました。※中古

おまけで現地の写真付きのロケ地マップが添付されているため、ロケ地を特定するために役に立ちます。そして出発の前日の夜に映画を改めて観て映像を頭にインプットしておきました。

遠征二日目


芦屋の宿の朝食はバイキングです。もちろん2食分しっかり食べておきます。このことで夕食まであまり腹が空かないため、あちこち立ち寄る場合に都合が良いのです。


まだ朝食の時間帯は小雨模様でしたが時間とともに青空が見えてきました。今日は急ぐ必要がないため9時ごろに宿を出発。


まずは昨日見つけておいた宿周辺の散策コースをぶらぶらします。


狩尾神社跡の鳥居は満ち潮の時はこのように海水に浸かっています。船で参拝に訪れることを想定されていたのかもしれません。

ここから先は、遠賀川沿いの自転車道「遠賀宗像自転車道線」「直方北九州自転車道線」「飯塚直方自転車道線」を走りますが、昨日の雨の影響でところどころ水たまりになっていたり、まるで川を渡るかのようにジャバジャバと大きな音を立てて通過したりと、川上に向かうほどひどい状態になっています。


水たまりはまだ許せるとして、水たまりのつもりで通過したら泥沼状態なっていて、ブロンプトンが泥だらけです。フレームやホイールならまだしも、ギアが泥だらけですから、走りに支障がでます。

自転車道を諦めて、どこかでブロンプトンを洗える場所を探しますが、都合よく見つかることはなく、泥が乾いてきてシャリシャリと大きな異音がします。


ロケ地その1
直方市/遠賀川土手(6人が美香子先生を見送るラストシーン)

土手に降りる道があるのか思いましたが、うろうろと探しても見つかりません。草ボーボーの階段&畦道を通ってなんとか写真に収めました。

交通量が多い堤防道路も我慢の走行です。途中で嫌気がさして神社のところの狭い道を降ります。神社のところにあった手洗い用の水道を拝借して泥を流してみますが、すでに固まってしまっているようで、綺麗になりません。とりあえず、チェーンだけは支障がない程度に洗っておきました。


偶然にもその神社が長崎街道の「木屋瀬宿(こやのせじゅく)」の終端だったらしく、しばらく旧街道の雰囲気を味わいながら進みます。


ロケ地その2
八幡西区/筑豊電鉄 楠橋車庫(ケンカのシーン)

フェンス越しでの撮影となるため、頑張っても絵になるような写真は撮れません。


ロケ地その3
八幡西区/筑豊電鉄 萩原電停(美香子先生が電車に乗るシーン) 下りホーム

ロケ地巡りの一番のメインどころです。


こちらが上りホームですが、ロケ地マップに掲載されている写真は下りホームです。


時代設定が1970年代末の「おっぱいバレー」には、その時代の車が走っていますが、CGや合成ではなく萩原電停一帯を終日封鎖して撮影したそうです。


時が止まったかのようなレトロな雰囲気が良い感じです。


ロケ地その4
八幡東区/祇園町銀天街(6人が並んで歩く商店街のシーン)

これまた「昭和のアーケード商店街」そのもので、まだ残っているのが奇跡です。


地元民の憩いの場所であろう昭和の大衆食堂は辛うじて営業しているようです。ちょっと興味はありますが、グルメポイントが少し先にあるため我慢します。


商店街を少し奥に行くとシャッターが下りた店舗が目立ちます。

シャリシャリと鳴り続けるチェーンが心配になってきました。走りが重いだけでなく、もしかしたら途中で切れてしまうかもしれません。


ホームセンターが見つかったため、ギア用のオイルを購入して、たっぷり掛けておきました。さらさらのオイルですのであまり期待はできません。無いよりマシという程度です。


ロケ地その5
戸畑区/田中酒店(美香子先生と堀内先生が学校帰りに語るシーン)

「海岸食堂」は解体されて跡形もありませんが、「田中酒店」の建物は残っています。※営業していないようです

ここからは北九州のカレー君プロデュースの走行ルートをトレースします。走りやすいルートが選択されているため、走行ペースも必然的にアップします。

あっという間に「お勧め!」の食事処「更新(さらしん)うどん」に到着。


鉄板メニューの「ごぼう天うどん」を注文してしばらく待つと、デーンと驚きのものが目の前に出てきました。これが「標準」だそうですが、大盛を超えた超大盛ですよ。まずを「ごぼう天」をモグモグ。次に麺をツルツル。食べても食べても減っていきません。「ごぼう天」も2本までは美味しくいただけましたが、3本目からは消化試合になってきて、4本目をかじったところでギブアップ。麺も三分の一ほど残しました。後から聞いた話では、完食してしまうと隙を突かれて麺が追加されてしまうらしいです。「うどん」を残すなんて人生初のできごとでした。

腹が苦しいですが、ロケ地巡りを続けます。「その6」は地元民しか分からない場所ですので、カレー君に感謝です。

小高い場所にある住宅地の道は激坂になっているため滝汗状態でブロンプトンを押し歩きします。小学生くらいの男の子に追い抜かれましたが、よく見ると電動アシスト自転車です。さすがにこの住宅地に住んでいる人は子供でも電動アシスト自転車を使うようです。


ロケ地その6
小倉北区/富野台(タイトルバックおよび美香子先生と堀内先生の通勤シーン)

作中と全く同じ光景が目の前にあります。「これぞロケ地!」といった雰囲気ですが、「映画の演出というものはすごいものだ」と改めて思わされる一瞬でもあります。


階段を下から見上げて作品のシーンを思い出します。こちらも「なるほどカメラワークの勝利か…」と思えます。


ロケ地その7
門司区/小森江子供のもり公園(美香子先生が練習を指導するシーン)

荷物を積んだブロンプトンですので、こちらも押し歩きで辿り着きました。もうヘトヘトです。


この階段で少年たちは足腰を鍛えたということのようです。


ロケ地その8
門司区/葛葉(6人のランニングシーン)

国道の1本隣にある生活道路ですが、大きく波うつ道路ですので、こちらも演出的に良いのかもしれません。今回のロケ地巡りで気になった点は、どこにも「おっぱいバレー ロケ地」が書かれていないのです。地方に行くと作品のポスターがいつまでも貼られたりしていますが、北九州の場合は版権の問題なのでしょうか。


ロケ地その9
門司区/門司食糧倉庫(廃トラックが置いてある6人の秘密基地シーン)

ここは解体&建て直し中ですので、作中の雰囲気は残っていません。ロケ地マップの写真と照らし合わせて、辛うじてここがそうであると確信する程度です。

ロケ地は「門司区/恒見」「若松区/小竹」「若松区/二島海岸」「八幡東区/花尾小学校・平野小学校・前田小学校」「直方市/直方市体育館」が残っていますが、すべてをコンプリートするとなると、さらに最低でも半日必要です。よってこれにて打ち止め。


北九州銀行レトロライン「潮風号」

観光SLと同様に「外から眺めるのは楽しいけど、乗車してもそれほど」と思うのは私だけでしょうか。小さい子供がいるファミリーなら「イベント性」は高そうですが。


これで3度目なる関門トンネル人道を通りますが、もちろん自転車は押し歩きです。


福岡県とサヨナラして山口県。ここでの記念写真も3度目となります。

17時15分ごろに宿に到着。距離85.2km、獲得標高595mというポタリング程度の走りだった割にはとても疲れた一日でした。


芦屋~下関

続く



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