ドルビーアトモスの効果測定「トランセンデンス」

映像作品をなんでもかんでも購入していてはキリがないため、多少なりとも世間の評判をチェックしています。もちろん、シリーズ、シナリオ、監督、そしてキャストのいずれかで選ぶ作品もあり、私好みの作品なら世間の評判など無視です。


トランセンデンス

今までなら買う対象にはなっていなかったはずの作品「トランセンデンス」をあえて購入しました。作品そのものの世間の評判はあまり良くなく、「ジョニー・デップだから」も選択肢に入りません。なぜ購入したのか。それはドルビーアトモスで収録されているからです。よって、ホームシアターを導入していなかったら購入しません。

死すべき運命だった科学者ウィル。しかしその意識は、死の間際に妻エヴリンにとってスーパーコンピュータへとインストールされた。意識だけの存在になったウィルは、オンラインにつながる軍事機密、金融、政治から個人情報まで、世界中のあらゆる情報を手に入れ、究極的な進化を遂げる。そしてナノテクノロジーを駆使し、現実の世界にまで及んだ彼の力は、遂に生命までもコントロールし始めた。常人を遥かに超える力で増殖し、拡散し、支配するウィルに「彼は私の愛した人だったの?」と信じる心が揺らぎ始めるエヴリン。まるで神のごとき力を手にし、変わり果てた男に世界は恐怖を感じ、密かに抹殺計画が進行し始める。そしてエヴリンにも選択の時が・・・

電脳化とサイバー犯罪のネタものならイノセンスのパクリかと思えてしまうのですが、そこにナノテクノロジーを使った再生医療が絡んできて、さらに治療をした人々を操ることができるという点が独創的であります。何事にも反対勢力は存在するもので、進化するテクノロジーに脅威を覚えて破壊&殺人を犯すテロ組織の存在。電脳化された主人公が何をしようとしているのか。それが分からずに、ただ恐怖を感じるためにFBIがテロ組織に協力して電脳化された主人公を破壊しようとする。世の中に理解されたのならば違う結果になっていたはず。「よく分からないものは排除すべし」という理論が押し通されて終わる。救われない作品です。


さて、どの辺りで「ドルビーアトモス」の効果を感じることができるのか。

電脳化されたウィルと彼の妻であるエヴリンの地下施設での会話のシーン、そして破壊されたソーラーパネルがナノテクノロジーで再生されていくシーン。ドンパチドンパチの場面ではなく、ジワジワくるシーンで「ドルビーアトモスの効果なのかな?」と感じます。派手な戦闘シーンになるとあちこちから鳴り響くため、5.1chでも十分すぎます。


5.1chで「後ろから声が聴こえる」になり、ドルビーアトモスで「頭上から声が聴こえる」になったわけですが、作中にそのようなシーンが無ければ「あちちこちからドンパチドンパチの派手な音が聴こえる」になってしまいますね。ドルビーアトモスありきで作品を作ってしまうわけにはいかないため、商業的には難しいのかもしれませんが。



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