オホーツク修行サイクリング「猿払村~網走」

2013年8月24日~26日

28年前に稚内から網走まで一日掛けて車で走りましたが、その時の「何もない」という印象しか残っていない区間を自転車で二日半掛けて走りますが、悪天候も重なり苦行のような修行サイクリングになるとは予想外。

北海道遠征第二弾
20130824猿払~紋別 距離: 170.3km 高度上昇値: 644m 平均スピード: 22.2km/h
20130825紋別~網走 距離: 132.6km 高度上昇値: 686m 平均スピード: 19.8km/h
20130826網走~女満別 距離: 25.9km 高度上昇値: 257m 平均スピード: 17.0km/h

五日目

寒さで目覚める道北の朝。天気予報によると本日の最高気温は21℃。。。8月とは思えない寒さを感じます。


民宿の朝食。おまけで1品追加あり。さらに女将さん手作りのパンもいただきました。


今日は天気が荒れることを覚悟して、宿を7時30分スタート。女将さんお勧めコースは車が殆ど通らない快適な道路です。女将さんによると廃線を利用したサイクリング道路があるらしいのですが。。。


T字路の先に何やら畦道らしきものが見えますが、まさかこれがサイクリングロードなのでしょうか? 熊出没注意の看板が設置されているサイクリングロード。


案内板を見ると「北オホーツクサイクリングロード」となっています。


せっかくですから。。。


走り始めると、まるで獣道状態。熊避け代わりにBGMをボリュームアップ! 今にも熊が出てきそうでドキドキものです。


倒れている枝を振り払いながらも突き進みましたが、ここでジ・エンド。私にはこれを乗り越える勇気はありません。ということで、アドベンチャーサイクリングを少しだけ楽しめました。(結局、入り口まで戻りました)

9時頃からいきなり土砂降り状態。慌てて雨具を着込んで走り出すと20分ほどで小雨になりましたが、非常に不安定な天候。


クッチャロ湖に着く頃には雨が止みましたが、雨の後の強風というのは北海道にも当てはまるようで、向かい風との闘いになっています。


日本最北の湖「クッチャロ湖」は、コハクチョウ飛来地だそうですが、北に帰るのを忘れたコハクチョウも居るようです。

クッチャロ湖は、国内最多のコハクチョウ飛来地として、昭和43年に北オホーツク道立自然公園に指定されました。また、平成元年には、国内第3番目のラムサール条約(「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」)に指定されています。更に平成11年には、東アジア地域ガンカモ類重要生息地として登録されました。
クッチャロ湖水鳥観察館


相変わらずの向かい風に苦しめられます。この先、今朝のスタートから85km地点までのアベレージが20km/h程度。平坦区間でこのペースは遅すぎます。


北見神威岬公園で小休憩。晴天日なら良い景色を眺めることができるのでしょうが、雨雲が漂う天候では仕方がありません。


昼食をまともに食べる余裕はありません。コンビニで済ますが、オホーツクルートにはコンビニが非常に少なく、まるで気分はブルベ。


悪天候の中を走り続けると奇跡的に青空が見えてきました。まさにミラクル!


地図を見る限り、国道238号は海沿いの道路のように見えますが、実は海から少し離れていてオホーツク海を見ることができません。紋別市の手前でようやくオホーツク海を眺めながらのんびりサイクリングという雰囲気になってきました。


それにしても宗谷岬から網走まで続くオホーツクライン(国道238号)には何もありません。ひたすら走るのみです。こういう時はブルベの経験が役に立ちますが、ブルベより過酷だと思えてきます。


心身ともに疲れ果てながら本日の宿を目指して走っていると、赤い建物のおこっぺアイス直売店がまるで砂漠の中のオアシスのように見えてきました。興部産生乳100%使用の濃厚なソフトクリーム「おこっぺアイス」で元気をもらってラストスパート。


天気予報によると道北地区の天候は朝から晩まで雨となっていましたが、上手いこと雨雲の隙間を走っていたようで晴れ間も見えました。運が良いというか奇跡に近いといえます。


17時10分ごろに宿に到着。今夜のご馳走はホタテガイのオンパレード「ほたてづくし定食」。一度にこれほど多くのホタテガイを食べたのは初めて。紋別はホタテガイの生産地で有名らしいです。

六日目

遠征でも5時起きの日々。紋別の朝は寒いです。窓が開いている訳でも無いのに、部屋の中でも妙に寒さを感じます。


週間予報では日曜日は晴れになっていたため、スケジュールを大幅に変更したときに観光ポイントが多い網走市を日曜日に組み込みました。順調に走れば午後3時ごろには網走市内に到着して観光を楽しめる予定でしたが、週間予報はハズレて「雨」確定です。昨日のように昼食をまともに食べることができない可能性が高いため、朝食バイキングをガッツリいただいて、紋別の宿を8時5分スタート。


SF映画に出てきそうなガリンコ号

ガリンコ号(ガリンコごう)は、紋別市の紋別港で観光目的に運用されている砕氷船。「ネジを廻すと前に進む」というアルキメデスのねじの原理を利用した「アルキメディアン・スクリュー」と呼ばれる螺旋型のドリルを船体前部に装備していて、それを回転させ氷に乗り上げ、船体重量を加えて氷を割ることで流氷域の航行ができる。北海道遺産の一つ。
wikipedia


巨大な蟹のツメ(高さ12m、幅6m)。調べてみたところ紋別流氷アートフェスティバルの企画で1985年に制作とのこと。他の作品は年月とともに老朽化して壊れ、現存しているのはこの蟹のツメのみです。


網走目指してひたすら走るのもネタ不足ですので、ちょっと寄り道して「網走国定公園サロマ湖 龍宮台展望台」に立ち寄ってみましたが、予想とは違ってガッカリな風景です。左側がオホーツク海、右側がサロマ湖ですが、この展望台からではよく分かりません。航空写真のようにはいきませんね。


龍宮台展望台に立ち寄るだけで約17kmも余分に走ることになり、予定していた走行ルートに戻るころには土砂降り状態になってしまいました。


北海道紋別郡湧別町の計呂地交通公園に展示されている「C58139」。


気分転換で「サンゴ草群生地」を散策してみましたが、見頃は9月下旬だそうで、8月下旬では何もないという状態です。


これは海ではありません。サロマ湖沿いに何時間も走っているのです。日本で3番目に大きい湖ですから「なんて巨大な湖なんだ」と思えたのは当然かもしれません。


こんな警報が出ている中を走行しています。実は竜巻注意報も出ています。


網走まで続く自転車道を発見。「網走常呂自転車道線」を使えば網走市まで車を気にせず安全に走ることができそうです。


国道の路肩は水溜まり状態で、ペースが大幅にダウンするため、サイクリングロードをゆっくり走っても所要時間は大して変わらないかもしれません。晴天なら気持ちが良いサイクリングを楽しめそうなコースですね。


8月下旬なのにアジサイが咲いています。この先にはバラも咲いていて季節感が変になります。


左に見えるは海ではなく能取湖


自転車道を走っていると正面にSLが現れます。旧卯原内駅に展示されているのは大正生まれの49643と茶色の客車オハ47-508

検索してみるとマニアックなページを発見
歴旅・温泉、そしてチョッと釣り~北海道の歴史と文化
歴史の一部となった鉄道


防水デジカメでパシャリパシャリと撮りながら走ると、ゴール間際で網走湖。


網走といえば「網走監獄」ですね。雨中走行によるタイムロスがあまりにも多くて、ここしか観光できないのは残念です。時刻はすでに16時30分。


特徴的な「五翼放射状舎房」で記念写真。


急いで周りましたがそれでも1時間ほど要するほど広い博物館でした。ゆっくり見て回ると2時間くらい掛かるかもしれません。

土産を購入して宿へ向かって17時50分頃にゴール。ブロンプトンがドロドロに汚れていたため、バケツをお借りしてジャバジャバと掃除。ホテルフロント係の方、ありがとうございました。


今夜も雨中走行の疲れが吹っ飛ぶほどのご馳走です。ちょっと贅沢なひと時。

七日目


おはようございます。今朝もバイキングでお腹いっぱい。

遠征最終日はスケジュールを変更した都合上、単なる移動日になっています。宗谷岬から紋別を経由して網走に向かうのなら、「女満別空港」をゴールにすれば最終日も7時間くらい使えますが、利尻島と礼文島に立ち寄ってからオホーツク海側ではなく、国道275号、国道40号を走り、名寄を経由して旭川に戻る計画を立てたため「旭川空港」をゴールにしてあります。今回の遠征は、直前になってスケジュールを大幅に変更したわけですが、復路のフライトまで変更することは難しいため、最終日にしわ寄せがきています。


宿を7時10分スタート。網走湖の湖畔にはキャンプツーリングのバイクがたくさん停まっています。走れるところまで走って野宿とかキャンプというパターンでしょうか。

今朝は霧雨状態で雨が降るのか降らないのかよく分からない状態です。

旭川行きの特急の乗車駅は網走駅または女満別駅になります。次回の遠征の繋ぎのために女満別駅を選択。9時45分の列車に乗り遅れたら本日の帰宅は不可能になるため、あまり寄り道はできません。


1990年公開の黒澤明監督の映画「夢」の撮影地となった「メルヘンの丘」。この辺りは似たような風景がたくさんあるため、目的もなくぶらぶらと走ってみるのも楽しいかもしれませんね。


今回の遠征の最後の立ち寄りポイントの「朝日ヶ丘公園」。


ここも「広大な向日葵畑」で有名ですが、残念ながらすでに刈られた後でした。


9時10分、女満別駅に到着。このように大きくて立派な駅舎ですが、なんと無人駅です。実は図書館の一角を駅舎として間借りしているのです。


次回の遠征はこの女満別駅からリスタートとなります。


出発の地、旭川に戻ってきました。寒さを感じた網走市とは違って旭川市内は非常に暑いです。


北海道遠征第二弾の最後のドリンクもやっぱりこれですね。

女満別駅 9:45-13:11 旭川駅 特急 オホーツク4号
旭川駅(旧アサヒビル前) 13:45-14:20 旭川空港 空港バス
旭川空港 15:20-17:15 中部国際空港 ANA 326
中部国際空港 17:45-18:35 東名上郷 空港バス

午後7時ごろ帰宅。


宗谷岬で購入した北海道の焼酎「りしり」。利尻昆布を原料に用いた珍しい焼酎です。

天候に翻弄された北海道遠征第二弾はこれにて終了。

交通費 : 55,920円
宿泊費 : 37,690円
観光 : 1,050円
土産 : 7,380円
食事、おやつ、ドリンク : 10,613円
合計 : 112,653円



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