九州平定「西南戦争激戦地『田原坂』と世界遺産候補地『三池炭鉱跡』」

2014年11月24日

ブロンプトンの旅の目的のひとつに「日本の世界遺産をコンプリート」があります。残すところ「小笠原諸島」のみとなりましたが、日本の各地に世界遺産の候補地がいくつもあります。

群馬の富岡製糸場のように「近くを通ったけど素通りした。しかし、世界遺産に認定されたので改めて行くことにした」というパターンが今後も出てくる可能性が高いのですが、近場ならともかく遠方で「改めて行く」というのは大変です。

今回の九州遠征のルートを検討するに当たって、当初は「街道ネタ」で立ち寄りポイントを選定していましたが、「日本一周ルートに接続させる」を前提にすると複雑どころか無意味とも思える区間がたくさんあるため、「街道ネタ」はいったんボツ。

有明海をぐるっと周るという大きなオプションを設定した最も大きな理由は、「日本一周ルートに接続させる」にあります。それをクリアさせながら各日のルートに意味を持たせる必要があるため、ルート設定の難易度が高くなったわけです。

そこで、世界遺産に認定される可能性が高い「三池炭鉱跡」に立ち寄ることにして、その前後にどれだけのオプションを追加できるのかは使える時間との兼ね合いになります。


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遠征四日目


ビジネスホテルには珍しく朝食は和食定食です。もちろん、ご飯をお替りして腹を満たします。7時14分、宿をスタート。


昨日は時間切れで宇土城跡をパスしましたが、宿の近くもなんとなく良い感じです。


古びた自転車屋。


こちらは「船場橋」。

「川のほとりは江戸時代に宇土細川藩蔵屋敷があったところで,武家屋敷や井戸なども残されています」ということで、7時少し過ぎという時間帯にも関わらず、散策している観光客がいました。

祝日でも朝から交通量が多い熊本市内に突入。


熊本城の「加藤清正公像」と記念写真。


これで日本一周ルートに接続できました。地図の上では熊本城から天草諸島をぐるっと周って再び熊本城に戻ってきたことになります。

今回の遠征ネタを探していた時、加藤清正公像がもう1体あることを知ったため、そちらに向かいますが、実は激坂ヒルクライムコースとなっています。


本妙寺公園のところにある「清正公立像」。この像を見るためにえっちらおっちら上ってきたわけですが、わざわざ見に来る人は少ないかもしれません。結構な時間を費やしてしまいました。この後の予定を少し変更する必要があります。


本妙寺公園から下ると川沿いに自転車道のようなものがありました。どこに繋がる道なのか分かりませんが、北西へ向かって伸びているため、とりあえず走ってみます。


熊本と山鹿を結ぶ「ゆうかファミリーロード」と命名されている自転車道でした。遠征ネタで自転車道があることを見つけていましたが、ルートが複雑すぎて分かりにくいためルートラボで引くのをやめました。偶然にもその自転車道を走っていたようです。このまま北上すれば山鹿まで行くことが可能です。

しかし、本妙寺公園までの上りで時間を費やし、自転車道では走行ペースが落ちるため、予定より大幅に遅れています。田原坂に立ち寄る為、JR植木駅のところで自転車道からいったん外れます。


南側からだと田原坂資料館へ向かう入り口がさっぱり分かりません。「西南の役 田原坂」と書かれた標識があったため、この狭い道を進んでみますが、途中から尋常ではない激坂になっていて押し歩きです。


戦死した薩軍や熊本隊の兵士329名が埋葬されている「七本柿木台場薩軍墓地」。


鉄砲の弾跡が戦いを物語る建物。


西南戦争激戦地の田原坂で西南戦争のことを勉強。植木町田原坂資料館の入館料は210円です。

西南戦争とは
西南戦争、または西南の役は、1877年に現在の熊本県・宮崎県・大分県・鹿児島県において西郷隆盛を盟主にして起こった士族による武力反乱である。明治初期の一連の士族反乱のうち最大規模で日本最後の内戦となった。
wikipedia

要するに倒幕に加担した薩摩藩が自分たち(士族)の立場が危うくなったため起こした戦争というわけです。


西郷さん。


人気があったのか「八重の桜コスプレコーナー」は継続中。


そして、これが「田原坂」です。「たはら」ではなく、「たばる」です。

すでに1時間以上も予定より遅れているため、山鹿へ向かわず大牟田へ。


久留米とんこつラーメン。ちょっとクセが強い味付けだったため、私には合いませんでした。


「三池炭鉱跡 万田坑」に到着。入り口付近の建物は無人で閉鎖されているため、入場無料かと思ったらボランティアガイド風の人にチケットを買ってくるように言われ、さらにガイドさんの案内はフリータイムではなくスタート時刻が決められていて、なんだかんだで1時間30分以上は滞在時間を要しそうな雰囲気。外観だけ眺めて撤収。


こちらは「三池炭鉱跡 宮原坑」。1889年、三池炭鉱は明治政府から三井に払い下げられ、三井が最初に独自開発を行った坑口が宮原坑。当時は刑務所の囚人たちを厳しい環境の中で働かせていたようです。

この炭鉱施設は2000年に国の史跡に指定されています。


宮原坑の見学は無料でした。ボランティアのガイドさんが詳しく説明してくれます。ちなみに万田坑は熊本県で、宮浦坑は福岡県です。そのためか、ガイドさんの熱い説明の中に万田坑に対する妙なライバル心を感じとれました。ここで三池炭鉱に関する資料をいただきました。


宮浦坑跡地は公園になっています。

「三池炭鉱跡」が世界遺産に認定されると良いですね。


水の都「柳川」。岐阜県大垣市になんとなく似ています。

堀割が張りめぐらされた水の都、柳川。木造のドンコ舟に乗って堀割をめぐる川下りは、観光のハイライトでもある。柳川の歴史は中世の蒲池氏の築城にはじまり、田中吉政が天守閣を築き、柳川城下町として栄えた。
JRおでかけネット


川下りを楽しむ観光客で大繁盛ですね。オヤジの自転車旅ではなく、普通の観光で訪問するのなら「ドンコ舟」に乗ってみたいものです。


「さげもん」と呼ばれる吊るし雛。場所は北原白秋の生家の向かいのお店。


国指定重要文化財「筑後川昇開橋」


そして「佐賀城跡」に戻ってきました。既に時刻は15時26分。

佐賀駅から唐津駅まで輪行しますが、その列車の発車時刻はなんと15時38分です。佐賀駅直前の信号地獄に捕まり、列車に乗り込んだのは発車10秒前でした。当初は16時41分の列車を予定していましたが、その場合は唐津駅到着が17時52分になってしまい、宿まで夜間走行を強いられます。

そこで、1本早い列車に乗れば日暮れ前に宿に入ることができるというわけです。ただし、綿密なスケジュールを組んだわけではないため、その列車に間に合うかどうか佐賀城到着まで不明でした。


「夕方から雨」という予報もあったため、1本早い列車に乗ることができて良かったです。遠くに見えるは唐津城。

コンビニに立ち寄ったり、宿を間違えたりしてタイムロスがあり、17時20分ごろにチェックイン。


今夜はちょっと贅沢に「あらかぶ御膳プラン」です。

【お品書き】
・季節の小鉢
・あらかぶ刺身
・季節の煮物
・スズキの天婦羅
・季節の茶碗蒸し
・酢物
・御飯/季節の漬物
・あらかぶ姿味噌汁
・季節のデザート


「『あらかぶ』って何?」という感じでしたが『カサゴ』のようです。刺身も美味しいのですか。。。


「あらかぶ姿味噌汁」が絶品です。大満足の晩御飯でした。

ご馳走ですから2食付きの8532円は納得価格ですね。

走行距離:116.7km 獲得標高:685m

どうやら最終日の天気予報は「雨」。空模様を見ながら臨機応変に対応していくことになりそうです。



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