ブロンプトンの旅「補完計画長野編」の本編の初日のレポートです。初日と最終日の予定は流動的で、両日ともギリギリまで悩みました。「車ではなく輪行で」と決めたのが前日の会社から帰宅してからのこと。「どこの駅で降りるのか」を決めたのが、最初に考えたスケジュールの降車駅に近づいてからという「宿だけ確保して残りは自由」という旅です。
7月13日
5時20分ごろに愛知環状鉄道の最寄り駅から乗車して、高蔵寺駅でJR中央本線に乗り換えて、木曽福島駅に到着が9時50分。3時間ほど列車内で勉強ができましたが、距離の割には結構時間を要します。
木曽福島には「中山道編」の終点と始点で立ち寄っていますが、街並み散策のみで観光をしていません。今回は時間に余裕があるため「山村代官屋敷」に見学します。
受付を済まして廊下をまっすぐ進むと巨大なひょうたんが鎮座しています。
屋敷が取り壊されるときに発見されたキツネのミイラを御神体として祀られている「おまっしゃさま」。1日2回だけ御神体を見せていただけるらしく、平日の朝一ということもあって、他の観光客もいないため、御神体を拝見しながらじっくり説明を伺うことができました。他にも家宝らしきものが大量に展示されているため、歴史好きなら長時間滞在してしまうかもしれません。
中津川から塩尻の区間は自転車乗りには楽しくないルートですが、国道19号を上手いこと回避するように走れば、時間は掛かりますが意外にも快適です。「国道19号は危険&苦痛」「迂回路は安全&快適」の二択となり、圧倒的に後者は時間が掛かりますが、急がないブロンプトンの旅なら問題ありません。
中山道の中間地点。宮越宿の本陣跡のすぐ近くにあります。「東海道を歩く」に比べて難易度が非常に高まる「中山道を歩く」をやっている人を見かけましたが、「区間距離が長い」点は旅らしい雰囲気を楽しめるのかもしれません。※コンビニなどありません
今回は伊那を経由して諏訪湖へ向かうため、宮越宿の少し先で中山道を外れて山に入ります。まさに山越えという雰囲気で、3つのトンネルを抜けるまでひたすら上りです。
そして4つめの権兵衛トンネルからはひたすら下りに入りますが、ブロンプトンで通過するには不安感いっぱいで、途中からは何もしなくても加速するため、ブレーキを軽く掛けながら惰性で下り続けます。
全長4470mのトンネルは自転車には長すぎますね。北海道のように4000mを超えていても車が殆ど通らないのなら快適ですが、権兵衛トンネルのようにセンターポールがあるのに白線外のスペースが殆どなく、さらに白線周辺の路面状態があまり良くなく、車もそこそこ通るトンネルは精神的に疲れます。偶然なのか大型車が一台も通らなかったのは幸いでした。
トンネルを抜けると快適なダウンヒル区間が始まりますが、荷物を積んだブロンプトンで速度を出すとフロント側が暴れるので、控えめに下ります。この先のルートをシミュレーションしてみると、「荷物搭載&SPDを使わない&底が柔らかいシューズ」という条件では上り区間が苦行です。「伊那→高遠→杖突峠→茅野」が“走りたいコース”ですが、既に「上りは嫌!」という気分になっているため、Google Mapでルート検索してみます。
Google Mapで歩行者を選ぶと、ソニーのナブ・ユーのように裏道をひたすら案内してくれます。車が殆ど通りませんが、自転車も速度を高めることができない道が殆どですので、ブロンプトンの旅に最適なルートかもしれません。
13時ごろ、諏訪湖の少し手前で昼食タイム。親子丼980円なり。焼き鳥の串を抜いて卵を掛けたような少し変わった味がする親子丼です。
13時40分、ようやく諏訪湖に到着しました。観光込みとはいえ57kmほどの距離に4時間近く費やしました。
すでに「もう今日はこれ終わりでもいいか」という気分ですが、最終日の予定を確定させていないため、初日にできることはやっておきます。
「諏訪大社下社秋宮」の拝殿と神楽殿は国の重要文化財に指定されています。
竜の口から流れているのは、なんと温泉水です。知らずに水を手で受けると「あっちっち」です。
激坂の上り区間をひたすら押し歩きしてやってきたのは「立石公園」。「君の名は。」に出てくる糸守湖は諏訪湖がモデルではないかと言われていて、劇中の風景はここからの眺めに似ていますね。思わず隕石が落ちてくるのを想像してしまいます。
諏訪湖の水がこの辺りまであったらしく「浮島」と呼ばれていた「諏訪高島城」。
「諏訪大社上社本宮」を参拝する時は、北参道からまっすぐ本殿に向かうのではなく、ぐるっと迂回して東参道の入口門から廊下を通り本殿に向かうのが正しいルートらしいのですが、ブロンプトンを置く場所を探して辿り着いたのが東参道だったのが幸いしました。
全国一万有余の諏訪神社の総本社「諏訪大社上社本宮」
大相撲史上最強の力士と言われている「雷電為右衛門」の像
諏訪大明神が最初に居を構えた地「諏訪大社前宮本殿」
欲張らずに午後5時前に本日の宿にチェックイン。1泊2食付きで5400円のビジネスホテルは観光目的というよりは出張目的という雰囲気でした。それが幸いして騒ぐ客も居ず静かに過ごすことができました。
本日の走行距離は80.0km、獲得標高は982m/974m。
今までのブロンプトンの旅では1日あたり120kmから170km程度は走ってきましたが、思い起こせばブロンプトンの旅を始めた当初は、観光も多めで無理しない走行でしたので、原点回帰といった感じでしょうか。日本一周を終えた時、妙にやりきった感があったので、これからは原点回帰でやっていくことになりそうです。
続く。