2012年2月10日~12日
2月の花といえば「菜の花」「椿」「梅」でしょうか。椿の季節になったら伊豆大島に行ってみたいと考えていたため、東伊豆エリア(河津桜、熱海桜、曽我梅園)とセットで伊豆大島サイクリングを楽しむことにしました。
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三河安城駅から熱海駅まで“こだま”で移動。そして伊豆急行に乗り換えて河津駅まで行きます。
過去に2回ほど伊豆急行を利用していますが、この車両に乗るのは始めてです。
車内はこのように海側の景色を楽しめるようにシートが配置されていますね。それから特別写真展とかで懐かしのSL車両のパネルが展示されています。暇つぶしにちょうど良いですね。
河津駅を10時30分ごろスタートして河津桜の鑑賞ポイントを一通りにぐるっと走ってみましたが、残念ながら全くと言って良いほど咲いていません。例年ならば3分咲き程度になっているハズですが、今年の花ポタのタイミングは難しいです。
木を1本1本じっくり見ていくと、たまーに数輪だけ咲いていたりするので、まるで宝探し状態。見つけると妙に嬉しくなります。さて、気が付けば時刻は既に11時。急いで熱海に戻る必要があります。15時15分発の伊豆大島行きの高速船に乗る必要があるため、その30分前の14時45分ごろには乗船場に到着しなくては…
ひたすら河津から熱海を目指して走り続けるのは精神的に疲れるため、途中で一箇所だけ立ち寄りポイントを設定しました。朝の新幹線の中で急きょ決めたのですが、それは「城ヶ崎」です。このようなダイナミックな風景を東伊豆エリアで見ることができるとは知りませんでしたが、訪問してよかったです。のんびりと景色を眺めていると時が過ぎるのをついつい忘れてしまいます。時計を見ると既に午後1時、熱海港まで約35kmもあります。これは大ピンチです。ロードならサクサクと行ける距離ですが、荷物満載のブロンプトンですから、とにかく気合を入れて走り続けるしかありません。
途中で休憩したくてもここは我慢我慢。とにかく走るしかないのです。万が一にもトラブルが発生したらリカバリーが不可能な状態のため、今までの数多く遠征してきた中で最大のピンチ、というよりも無理な日程を組んでしまったものだと後悔しながらも走り続け…
14時47分、熱海港に到着。やれやれ、一安心です。
乗船券については事前にインターネット予約をしてあるため、席の確保は出来ていますが、折り畳み自転車の持ち込み料金1000円は窓口で支払います。ちなみに三辺が180cm以下の荷物まで持ち込み可能です。
島の西側にある元町港に到着するかと思っていたため、夕方の予定をあれこれ考えていましたが、どうやら西風が強い場合は島の東側にある岡田港を利用するらしく、それは当日にならなければ分からないとのこと。だからといって岡田港から元町港へ送迎してくれるわけではなく、各自それぞれが自力で移動するしかないのです。
地図を眺めながら元町港へ移動する途中の立ち寄りポイントを検討。まずは「大島灯台」に立ち寄ってみましたが、荒れた狭い道をテクテクと歩いていくことに…。
この後は「大島空港」を間近で眺めることができる道路を走り、さらに「伊豆大島サンセットパームライン」で夕日を堪能。元町港のスーパーで食料を調達後、宿に向いますが、さっぱり場所が分からず、最後の手段で警察署でヘルプを求めるも解決せず。暗くなってからでは100%見つけることができない場所に宿があったのですが、詳細は省略。風呂に入りたくてもシャワーしかないという格安宿ですから…
二日目
7時40分、宿をスタート。伊豆大島をサイクリングしますが、ガイドブックや複数のブログをチェックしてみても反時計回りで走るのが定番らしいです。終盤に三原山を持ってくるため、私も反時計回りで走ることにしました。写真は波浮港へ向う途中の景色。設置されている「地層切断面」の解説によると「大島の火山は世界で最も解明の進んだ火山といわれている」とのこと。火山灰とスコリア(黒い軽石)が何層にもなっていて、過去の噴火回数がこれで分かるらしいです。
周りの景色を見ながらのんびり走っていると何やらピンク色をした木が視界に入ってきたため、ちょっと寄り道してみると「桜」です。昨日見ることができなかっただけにちょっと得した気分です。
桜を背景に椿を撮影。伊豆大島ならではの組み合わせですね。
「波浮港見晴台」に到着。もっと良い眺めなのかなと期待していましたが、夕方が良いのかな。
迷いながらも「踊り子の里」に到着。観光客が来ることが殆どないような閑散とした雰囲気が漂っています。
「踊り子坂」ってどこにあるんだろうと探し回るも見つからず、諦めて波浮港へ降りたいのに道はなし。仕方なく、この階段をブロンプトンを抱えて下っていくと、なんとここが「踊り子坂」でした。
階段をひたすら下るとそこにあるのは「港屋旅館」でした。
再び「大島周遊道路」に戻り「大島公園」を目指して北上しますが、思いのほか急坂が続きフロントバッグを装着していないブロンプトンでもクタクタです。先日装着したスタンドですが、このように上手いこと自立しますが、フロントバッグを装着すると全く役に立ちません。
この痛々しい姿の老木は国指定特別天然記念物の「大島のサクラ株」で、樹齢800年にもなる島のシンボル的な存在らしいです。もともとは1本の巨木だったものが昭和40年ごろに大きく傾き、そして平成17年夏に強風で倒壊したとのこと。今なお、3本の子株が逞しく生育しているところがこのサクラの木の生命力の強さ。
11時頃に「大島公園」に到着。椿園にはいろんな種類の椿が数多く植えられています。品種によって開花時期が若干違うのかもしれませんが、見頃時期がイマイチ良く分かりません。しばらく椿を眺めながらのんびり散策。
今日は「ミス椿の女王コンテスト」だったようで、運よくコンテスト終了後の任命式を見ることができました。
コンテストの合間に2011年の「ミス大島」と「ミス椿の女王」のお嬢さんがカメラマンたちのリクエストに応えてモデルを務めていました。ミスとしての活動、1年間お疲れ様でした。
「泉津の椿トンネルと大木」は伊豆大島の代表的な椿並木で樹齢200年前後の古木が約100mも続いています。椿の木もこのように高くなるとは初めて知りました。島内のいたるところに植えられている椿の木もこのように大きくなるのでしょうか。写真手前の大きな木は「寿老椿」と命名されていて樹齢600年以上だそうです。
青い空、青い海。今日は絶好のサイクリング日和です。観光客の車の持込みができないこともあって、観光シーズンでも島内の車の絶対数が少ないため快適なサイクリングを楽しめます。
いよいよ伊豆大島サイクリングのメインイベントである「三島山ヒルクライム」に挑みます。このために伊豆大島に連泊したともいえます。宿に荷物を預けることができますので。
三原山ヒルクライムのアタックルートは3本あります。一番キツイのが元町港からの西ルート、次にリス村からの北ルート、そして比較的緩やかな大島公園からの東ルートです。今回は伊豆大島をぐるっと反時計周りした後の終盤に三原山を持ってきたため北ルートで上ってみます。
北ルートは想像していた以上にきつくて、フロントバッグをつけていない状態でも悪戦苦闘。ブロンプトンは不思議な自転車で、荷物をたくさん詰め込んだフロントバッグがあってもなくても疲労度は大して変わりません。押し上げに関してはバランスが良いのかもしれません。しかし、リアキャリアに荷物があると途端に負荷が高まります。ルートの途中にヒルクライムがあるのならばフロントバッグだけにした方が良さそうです。東ルートとの合流した後は写真の「さざんかの道」を走ります。ここからは勾配が若干緩やかになります。ちなみに「さざんかの道」と書かれているように椿ではなく山茶花が咲いていますよ。
えっちらおっちら上っていくと、のどかな風景が現れました。「馬とのふれあいは自己責任でお願いします」と書かれた看板がここの雰囲気を表しているのかな。
14時ちょうどに三原山ヒルクライム完了。ブロンプトンではちょっとキツかったですが、一度は来たかった場所だけに妙な感動を覚えます。
ここからは徒歩で三原山の火口まで行くことができます。所要時間は往復で1時間20分くらい掛かりますが、伊豆大島に連泊したことで時間に余裕ができて良かったです。
写真ではよく分かりませんが、これが三原山の火口です。あちこちから煙が出ているため、活火山であることが分かります。ちなみに火口までの遊歩道には万が一に備えてシェルターが設置されています。
おまけで「三原神社」。1910~1923年、1950年~1953年、1986年の三原山の大噴火の時でも溶岩流が「なぜか」神殿を避けて流れたそうで、奇跡の神社と言われているらしいです。もしかしたら日本一の厄除け神社かもしれません。
このあとは西ルートを気持ちよく下り続け宿に戻りました。
三日目
高速船の着港がどちらになるのか分かるのが8時30分ごろらしいので、それまでは椿を見ながらあちこちぶらぶら。大島空港脇には「椿の散歩道」と命名された快適な道路があり、椿が綺麗に植えられています。ここで写真を撮っていると高速船が「岡田港」を利用するとの島内放送があったためさっそく向います。
富士山を眺めながら高速船がやってくるのを待ち構えていると、きたきた来ましたよ~。
カメラを連写モードにして高速船を激写。近くで見ると結構迫力ありますよ。船底が浮いていることが分かります。出航のときに「テイクオフ」って船内放送が入りますが、これなら確かにテイクオフですね。
熱海に戻り「熱海桜」を観賞。熱海にある桜だから「アタミザクラ」と呼ばれていますが、正式名称は「寒桜」。本日(2月12日)は糸川桜まつりの最終日ですが、熱海桜の開花はいつもより随分と遅れているようでまだ満開にはなっていません。この後は「恋人の聖地」と「貫一・お宮の像」を眺めてから小田原へ移動。
サイクリング本に「お勧めルート」として掲載されていた県道740号を走ってみましたが、荷物満載のブロンプトンではちょっとキツイです。ロードの人たちは気持ち良さそうに走っていきますが…
楽しみにしていた小田原の「曽我梅園」に到着ですが、全くと言って良いほど開花していません。梅まつり開催中ですから観光客が大勢訪れていますが…。諦めて帰ろうかと思ったタイミングで、ブロンプトンを持っているというおじさんに声を掛けられ、二宮町の菜の花が素晴らしいという情報をいただきました。まだ時間の余裕があるためさっそく二宮町目指して走ります。
おじさんから「駅から観光客が歩いていく方向へ行けばいいよ」と聞いていたのでそちらへ向うと、そこは「吾妻山公園」でした。どうやらこの山頂に菜の花があるらしいです。
急な階段をサクサクと上り終えると、見事な菜の花畑とご対面。大勢の観光客が何もせずにまったりと過ごしている風景が印象的でした。ここだけ時間が止まっているかのような不思議な空間。
二宮駅から小田原駅へ在来線、そして新幹線に乗り換えて三河安城駅へ。午後7時頃には帰宅。
三日間の走行距離は193.42km、高度上昇値は3135mでした。
交通費
三河安城-河津 8890円
熱海-大島 7590円+2000円
二ノ宮-三河安城 7870円