2012年9月17日~18日
九州遠征第五弾の4日目と5日目は、約30年前に「いつかは行ってみたいものだ」と思い描き「宗谷岬と佐多岬へ行かずに自転車旅人を語る無かれ」といっても過言ではないサイクリストの聖地「本土最南端 佐多岬」を目指します。
201209九州遠征 4日目 「志布志~根占」
201209九州遠征 5日目 「根占~佐多岬~鹿屋」
遠征四日目
今回の遠征の直前に台風が発生したため、悪天候で運休となる確率が高いフェリーを使わずに佐多岬を目指すルートを設定する必要があり、さらに九州遠征の第三弾のルートのどこかに接続させる必要があるため、もともと第三弾の時に検討していた「志布志→根占→佐多岬→根占→鹿屋」で決定。
根占から佐多岬を往復するだけでキツいアップダウンを約80kmほど走るため「志布志→根占→佐多岬→根占→鹿屋」をブロンプトンでは一日で走ることは不可能。ところが、根占から佐多岬の区間の宿は非常に限られるため、手堅く根占で宿泊としました。もちろん、軽装備のロードなら根占で宿泊しなくても一日で走ることは可能です。
志布志の宿の朝食バイキングでガッツリ補給後、8時頃にスタート。今日は国道448号をひたすら走るだけの単純明快なルートですが、台風の影響で一日中「向かい風」になります。これについては遠征前からそうなることは覚悟していたので、オプション無しでいつもより短めのルートを設定。これならば向かい風に苦しめられて時間辺り10km程度しか進まなくても夕方には宿に着くハズ。
鹿屋へ向かうルートの分岐点から国道448号に入ると交通量が極端に減ります。ときどきすれ違うのは軽トラばかり。大隅路がこのまま平坦なら嬉しいのですが、海沿いの道にはもれなくアップダウンがつきもの。「まあ、いつものことだから」と進むのみ。ところが。。。
途中から「この先、完全通行止め」の看板が現れ、土地勘が無い者にはそこがどこなのかさっぱり分かりません。宮崎の時もそうでしたが、どの区間が通行止めで迂回路の候補がどれなのか具体的に地図で示さないのでしょうか。愛知ならば地図看板が設置されます。
このまま20km近く突き進んで、本当に完全通行止めなら2時間以上のタイムロスになるため、洒落になりません。では国道448号を走るのを諦めるとしたら、さらに最短ルートになり景色を楽しむ事もなく正午前には根占に着いてしまう。「ここは、いざ勝負!」で突き進むと。。。本当に「完全通行止め」でした。強行突破!
ではなく、本日は工事作業がされていないのか番人らしき人がいたので「自転車なら通れますか?」と了承を得てからゲートを突破。
ほどなく良い風景が現れ、本日の唯一の立ち寄りポイントへ向かう上り区間に突入。ところが、上り始めるといきなりのどしゃ降りで、いっきにテンションダウン。「歩いたっていいじゃないか」しばらくテクテクとハイキング。
10時50分、「美濃峠」を越えてやってきました「内之浦宇宙空間観測所」。ゲートで署名してから入場。
観測ロケット発射場。1970年2月11日に日本で初めて人工衛星「おおすみ」がここから打ち上げられたとのこと。
宇宙科学資料館も見学できます。もちろん無料です。
打ち上げるロケットは大きくても使われているメインパーツは小さいのか。そんな感想。詳しい人なら目が釘つけ状態なのかもしれませんが。
この「内之浦宇宙空間観測所」は高台にあるので自転車で訪問するのはそこそこ大変です。橋の名称はそれっぽいものがつけられています。この橋は「ジュピターブリッジ」。
12時、「岸良海岸」。綺麗な砂浜、大きな波。しばらく、この風景を眺めながらボケーとしたいものですが、水分補給後にリスタート。
「岸良海岸展望所」からの眺め。ここも絶景ですね。特に波が良い感じの絵になります。
岸良海岸からもひたすら上りが続きます。補給ポイントどころか自販機すらなくツラい時間帯。せめて自販機でもあれば助かるのに。。。
13時32分、「新田峠」を越えて下り区間に入り、部落らしきところに田舎の雑貨屋あり。とりあえず覗いて即効性のありそうな「栗饅頭」確保。赤コーラで無理やり流し込んでエネルギー補給。
国道448号を外れ根占へ向かう県道もサイクリング向きの良い感じの道。
14時30分、本日の宿に到着。
温泉に入り、酒を飲んで、昼寝して、晩御飯。ブロンプトンの遠征を始めて初めてのんびりできた一日でした。
遠征五日目
最終日は、「根占→佐多岬→根占→鹿屋」の区間を走り、鹿屋から空港バスで鹿児島空港へ向かいます。
根占から佐多岬の区間は今まで以上にアップダウンが激しい区間となるため、どのくらいの時間を要するのか確信を持てません。過去の経験上、小休憩込みで時間あたり「距離+獲得標高/20」を20kmに設定しておけば大きく外れることはありませんが、帰りのフライトの時刻に遅れるわけにはいかないため、少し早起きして宿を6時頃にスタート。
朝靄の中に浮かび上がる開聞岳を眺めながら佐多岬を目指して大隅半島を南下します。
しばらくすると青空になり、奇麗な開聞岳を拝むことができるかと期待するも、残念ながら湿気の多い夏場は遠景が霞んで輪郭がはっきりしません。
勾配がキツイ場合、上る時間に対して下る時間があまりにも短くなるため、感覚的には「ずっと上っている」となり、精神的にも疲れてきます。しかし、この先には待望の「佐多岬」が待っていると思えば、こんな坂くらい。。。の繰り返しで時間があっと言う間に過ぎていきます。
8時7分、「佐多岬ロードパーク」のゲートに到着。佐多岬ロードパークは無料化と同時に自転車も通行可能になったことで、特別なことをしなくても自転車旅人は佐多岬へ行くことができます。2007年以前の旅人がどのように佐多岬まで行ったのか不明ですが、バスが運行していたのかもしれません。
佐多岬ロードパークのアップダウンに苦しみながら突き進むと、唐突に「第二ゲート」が現れて「佐多岬展望公園の入園料(500円)」を徴収されます。「第二ゲート」から先はさらに閑散とした雰囲気が漂い、野生のサルが道路をうろついています。屋久島のサルとは違い、自転車が近づくだけで、さっさと逃げてしまうため、写真を撮るタイミングを逃してしまいます。
上り終わると、そこそこの広さの駐車場。第三のゲートのトンネルのさらに先に佐多岬があるようです。通常は自転車を置いて徒歩で向かうのでしょうが、どうしても「佐多岬」の看板といっしょにブロンプトンを撮りたいため、ゲートの係員に自転車の持ち込みができるのか確認。どうやら急な階段があるようで、そこで転んで怪我でもしたら責任問題になるので通常は「NG」らしい。あくまでも自己責任でということで了承を得て、ひたすら押し歩き。重いブロンプトン、重い荷物を担いでの階段上りは非常にキツイ。。。
そして、ついに、待望の佐多岬に到着。ここにやってきたというだけで、妙に感動します。
一括で「佐多岬~宗谷岬」を走破する人なら、感動はもっと大きいのでしょう。
展望台からの景色。日本本土最南端「佐多岬」。妙にテンションが高まります。ここに来たら買うと決めていたステッカーをブロンプトンに貼って意気揚々と来た道を戻ります。
「佐多岬ロードパーク」を下っていると作業風のおじさんに声を掛けられ何かと思えば天然の「野葡萄」です。ありがたく頂戴しました。
サイズが小さいだけで見た目は葡萄そのもの。
台場公園のところにある「薩英戦争 砲台跡」
「最南端」つながりで、本土最南端の道の駅「根占」で昼食タイム。少し奮発して「道の駅 根占御膳(1200円)」をいただきました。
「根占→佐多岬→根占」の区間距離は約80kmほどで、所要時間が約6時間30分。「いつもより随分とペースが悪い」とふと疑問に感じましたが、高度上昇値を確認してみると1300mほどありました。佐多岬観光と昼食タイムを考慮すると、結果的にはいつものペースと殆ど同じということは、決して体調不良というわけではないようです。走っている割には進まないと、何か調子が悪いのかと勘違いしてしまうのも困ったものです。
大隅半島を北上して、やってきたのは「鹿屋バラ園」です。最終日が佐多岬だけでは寂しいので立ち寄りポイントを2つ設定しておいたのです。鹿屋から空港バスに乗るため、その時間調整も兼ねています。ところが何ということか「休園日」。月曜日が休園日ですが、昨日が祝日だったため振り替えで今日が休園とは。隣の公園をぶらぶらしても何も収穫なし。展望台も上ることもできず。諦めて最後の立ち寄りポイントに向かいます。
「鹿屋市鉄道記念館」に到着。1987年3月に廃止された大隅線の歴史を今に伝える目的で建てられた記念館だそうです。ここも鉄道マニアならテンション高まるでしょうね。バスの時刻まで1時間以上あるので、じっくり見学できるな。。。
なんと「鉄道記念館」のドアが閉まっている。これまた、なんということか振り替え休館日。はてさてどうしたものかと空港バスの時刻を改めて検索してみると事前に調べた「空港バス」とは違いそうな「リムジンバス」なるものがある。「空港バス」は市役所のバス停を利用するが、バス会社のWebサイトを見ても「リムジンバス」のルートには市役所が記載されていない。問題なのは「リムジンバス」の乗り場がどこなのかさっぱり分からないこと。時間もあることだからバス会社の営業所に行くか。どうせ営業所が始発停留所だろうし。。。
ナビに従って営業所に向かうが相変わらずヘンテコなルートを案内され、途中から押し歩きをさせられ、なんとか営業所につくも、事務員さんと話がかみ合わない。営業所から少し離れた場所でバスが停まっていたけど、まさかあれなのか? 自社の運行バスの資料らしきものも用意されておらずパソコンで調べ始め、待つこと数分。時刻表だけ渡された。だからバス乗り場がどこなのか知りたいんです。
時刻表を見て、事前に調べておいた「空港バス」と「リムジンバス」が同一のものであることが分かり疲れがドッと出てきた。なんとムダなことをしたものか。あのまま鉄道記念館の隣にある市役所のバス停で待っていれば1本早い時間のバスに乗れたのか。いやはやなんとも。
で、営業所から少し離れた場所で見かけたバスが「リムジンバス=空港バス」だったようで、次のバスが来るのは約1時間後。バス停のすぐ近くにコンビニがあるので、トイレを拝借して「着替え」、そして補給タイム。
空港バスの場合は「鹿屋」が一番メインのバス乗り場らしいのですが、そこがどこなのかは地元民や既に利用したことがある人しか分からないのでは? Webサイトを見ても具体的な案内が何もありません。通りにも案内板らしきものも出ていないような。
最後はドタバタしましたが、それが結果的に時間調整になってしまい、当初予定していたバスに乗って鹿児島空港に到着。
鹿児島遠征の締めの食事は「鹿児島黒豚カツ丼(1000円)」にしました。
以上で九州遠征第五弾「屋久島&鹿児島」は完結です。
次回の長崎編で九州エリアはひとまず完了となりますが、機会があれば屋久島には改めて訪問したいものです。もちろんその時は種子島とセットで。
2012/9/14
距離: 53.1km
平均スピード: 16.6km/h
高度上昇値: 1033m
2012/9/15
距離: 30.7km + 1.3km
平均スピード: 17.8km/h
高度上昇値: 560m
2012/9/16
距離: 79.3km
平均スピード: 17.5km/h
高度上昇値: 431m
2012/9/17
距離: 85.2km
平均スピード: 17.1km/h
高度上昇値: 1,333m
2012/9/18
距離: 112.4km
平均スピード: 17.4km/h
高度上昇値: 1,666m
合計
距離: 362km
高度上昇値: 5,023m
交通費 計 53930円
名鉄 新安城-中部国際空港 1100円
ANA 351 名古屋(中部) → 鹿児島(09:25) 普通席 旅割45
JAC3745便 鹿児島 → 屋久島 普通席 先得割引-タイプA 10400円
フェリー屋久島2 屋久島 → 鹿児島 4600円+900円
山川駅 → 鹿児島中央駅 1080円
空港バス 鹿児島中央駅→鹿児島空港 1200円
空港バス 鹿児島空港→志布志 1600円
空港バス 鹿屋(東笠之原)→鹿児島空港 2150円
ANA 360 鹿児島 → 名古屋(中部) 普通席 旅割55 29800円(往復)
名鉄 中部国際空港-新安城 1100円
宿泊費 32000円