書籍の運命で分かる自転車旅と鉄道旅

健康ブームに便乗した自転車ブームゆえに、あくまでも自転車は運動のための道具であり、今回のブームでも旅の道具にはならなかったようです。なんとか「自転車旅」を盛り上げようと発刊されていた書籍は次々と休刊になりました。

このネタは既に「2016年5月21日 : 久しぶりに「自転車と旅」が発刊されたけど」で触れましたが、まずはおさらいです。

最終号
2013年5月 自転車と旅 Vol.10 (2015年1月 総集編、2016年3月 特別編、2017年7月 特別編)
2013年8月 シクロツーリスト Vol.10
2014年10月 自転車人 NO.37 2014秋号

気合を感じられた三誌の休刊と共に自転車ブームは「完全終了」という雰囲気。その後は突発的にムック本が発売されましたが、販売部数はどのくらいなのでしょうか。

私の『ブロンプトンの旅「日本一周編」』が完了したのが2014年7月です。もともと「50歳までに完了させる」というエンドを決めていたためリミットは2014年10月末だったわけですが、自転車ブームの終了とタイミングが合いすぎていますね。

ドライブ前提のガイド本は毎年欠かさずリニューアルされて出版されるのに、なぜそのサイクリング版を作らないのか不思議です。『ブロンプトンの旅「日本一周編」』の時は日本地図でざっくり検討して、ドライブガイド本でルートを参考して、最後は個人ブログで安全性を確認しました。

ピンポイントなサイクリングマップではなく、日本全国のサイクリングに適したルートが分かるような書籍が欲しかったわけですが、いまだに存在しません。もちろん各エリアのお勧めルートが掲載されている書籍は何冊も買いましたが、あまり役に立ちません。なぜならばそれらのコースは繋がっていないからです。「自転車旅の書籍を頑張って作っても売れないから」が実情でしょうか。

自転車のイベントや超メジャーのサイクリングコースだけは走る人が多いようですが、それらはあくまでも娯楽の範疇であって自転車旅ではありません。

自転車が趣味という場合、「走ること」「自転車そのもの」の二つに大きく分かれます。「走ること」は「どこを走るのか」と「走りそのもの」に分かれます。「自転車そのもの」は「完成車」「パーツ」「アイテム」「カスタマイズ」に分かれます。生き残っている自転車雑誌は「どこを走るのか」を重要視せず、休刊になった雑誌は「どこを走るのか」がメインでした。

結局のところ自転車は「旅の道具」にはなれないというところでしょうか。(しようとしない)

非常に長い前置きに比べて本題は短いです。

自転車旅は全く定着しなくても鉄道旅は歴史があるようです。「旅と鉄道」は途中で休刊になったり発売元が変わったようですが、1971年から現在まで発刊されています。需要があるから出版するわけですから、「自転車旅」に比べて「鉄道旅」は一般的なのかもしれません。

「鉄道旅」をベースに「ちょっと自転車」が日本の交通事情にあっているのかもしれません。

『ブロンプトンの旅「日本一周編」』が完了後、「旅」に関しては自転車に拘る必要は無く、自転車を使えば便利な時に使えば良いかなという段階ですが、時間に縛られるバス、かといって徒歩では非現実的という場合が多いため、「だったら自転車で」という場合が多いです。

「鉄道とちょっと自転車の旅」が面白いような気がしますが、これからは「旅と鉄道」が参考書になりそうです。



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