スポ根の王道「弱虫ペダル SPARE BIKE 第6巻」

総北のスプリンターとして活躍した根性の男・田所迅!! 1年生レースでは最下位だった男が栄光を掴むまでの軌跡がここに!! さらに特別描き下ろし『腹ぺこ巻島くん』も収録!!

熱いどころか暑苦しい男「田所迅」がスプリンターとして覚醒するまでのお話です。

「弱虫ペダル」には尖がったキャラが大勢登場していますが、それぞれのバックボーン部分は「SPARE BIKE」で詳しく語られ、本編よりとても面白いです。本編は「もういいか」と読むのをやめても「SPARE BIKE」は読んでいくと思います。

「SPARE BIKE 第6巻」を読んでみてふと思うことは、本編もそれぞれのエピソードは面白いはずなのに、全体で見るとなぜか面白みに欠けるのは何故?

現在までに64巻という長期連載作品ですが、1冊または2冊だけ掻い摘んで読むと面白いです。残念に思えた2年生編のラストも62巻と63巻だけ読むとかなり面白いです。

多すぎる登場人物にいちいちスポットを当て、それなりの尺を費やすことで結果的にストーリー全体から見ると主人公の出番が少なく、最後の美味しい所だけ主人公が持っていく展開。

「誰が主役なのか分からないお話だけど、たぶん最後に活躍した小野田が主役かもしれない」という構成なのが本編。「〇〇のお話」が明確になっているのが「SPARE BIKE」。

「戦国時代を題材としたお話」で家康を主役に選んだ割には、家康が全く出てこない話を大量にぶち込んで「これって誰の話だっけ?」と読み手に思わせてしまうようなストーリー構成が「弱虫ペダル」なんだなと改めて思えたわけですが、主役があまり出てこない漫画というのも珍しいですね。



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