レースどころかイベントすら出るつもりはなく、あくまでもサイクリングを楽しむための体力・筋力アップを目的に山間地を重点的に走っています。
緩やかな上りがいつまでも続くと途中で飽きてしまいますが、その区間で力尽きることはありません。しかし、長い10%超えの坂、そして15%超えの坂が頻繁に現れると踏み込む力がなくなってきます。15%を超えると「くるくる回す」なんていう状況ではないため、トルクが必要になってきますが、四十半ばから再開した自転車遊びですから高トルク走行をしようものなら膝を壊す可能性があります。万が一にもこの歳で膝を壊すと完治するのも怪しいものです。
そこで、20インチ(451)のGIOSアンティーコを超激坂のヒルクライム用にセッティングしてきたわけですが、それでも斜度が20%を超えてくるとツライです。ふじあざみラインの超激坂区間をシッティングのまま直進すると時速4km前後まで落ち、ふらついて落車しそうになりました。計算上、20インチ(451)、フロント34T、リア28T、ケイデンス35rpmで約3.9km/hとなります。どうやら私の場合は40rpmを切るとまともに直進できないようです。
膝を痛めないために高トルク走行を封印してきたため、回転数が落ちれば落ちるだけパワーがなくなります。先日の田原坂では70rpmで上るよりもギアを軽くして90~100rpmで上ったほうが速かったため、全身の疲労度は高まりますが、ぶん回して上りたいものです。といっても私の場合は、ロードで90~100rpmを維持できる斜度はせいぜい6%くらいまでです。つまりは、8~10%程度の峠越えを頻繁にしている現状において、“どこでもギア”の11-28Tを使っていても“重い”状態にあるわけです。10%前後の上り区間の速度が約8km/hになってしまうということは50~55rpmで長時間走っていることになり、これが累積獲得標高差2200~2400mで“力尽きる”原因かもしれないと思えてきました。その辺のところを、今週末に“どこでも自転車”のGIOSアンティーコを投入して改めて確認してみようかと。
○激坂仕様のGIOSアンティーコ
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 17 | 19 | 21 | 24 | 28 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
50 | 37.9 | 34.8 | 32.1 | 29.8 | 27.8 | 24.5 | 22.0 | 19.9 | 17.4 | 14.9 |
34 | 25.8 | 23.6 | 21.8 | 20.3 | 18.9 | 16.7 | 14.9 | 13.5 | 11.8 | 10.1 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 17 | 19 | 21 | 24 | 28 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
50 | 25.3 | 23.2 | 21.4 | 19.9 | 18.5 | 16.4 | 14.6 | 13.2 | 11.6 | 9.9 |
34 | 17.2 | 15.8 | 14.5 | 13.5 | 12.6 | 11.1 | 10.0 | 9.0 | 7.9 | 6.8 |
○どこでもギアのBIANCHI Via Nirone
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 17 | 19 | 21 | 24 | 28 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
48 | 49.4 | 45.3 | 41.8 | 38.8 | 36.2 | 32.0 | 28.6 | 25.9 | 22.6 | 19.4 |
34 | 35.0 | 32.1 | 29.6 | 27.5 | 25.7 | 22.6 | 20.3 | 18.3 | 16.0 | 13.7 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 17 | 19 | 21 | 24 | 28 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
48 | 32.9 | 30.2 | 27.9 | 25.9 | 24.1 | 21.3 | 19.1 | 17.2 | 15.1 | 12.9 |
34 | 23.3 | 21.4 | 19.7 | 18.3 | 17.1 | 15.1 | 13.5 | 12.2 | 10.7 | 9.2 |
追記.
平均勾配5.0%を平均12.5km/hで上った場合 → 平均出力150W
平均勾配10.0%を平均8.0km/hで上った場合 → 平均出力173W
「BIANCHI Via Nirone」で平均勾配5.0%と同等の労力で平均勾配10.0%の区間を走ろうとすると約7km/hでケイデンスが45rpmになってしまいます。これでは速度が“遅すぎる”ため負荷を高めて走る必要がありますが、60rpmまで回しきれないため結果的に疲れるのは当然ですね。
追記2.
私の場合は、山間地サイクリングの時に気持ちよく走れる労力の目安としては「平均出力150W」としています。そこで「平均出力150W」で走れる平均勾配と平均速度の関係を「ヒルクライム計算」を使って求めてみました。
平均勾配 | 平均速度 |
---|---|
5.0% | 12.5km/h |
8.0% | 8.5km/h |
10.0% | 7.0km/h |
12.0% | 6.0km/h |
15.0% | 4.8km/h |
20.0% | 3.6km/h |
ケイデンスの下限を60rpmとして平均出力150Wで走れる平均勾配は約7%となります。つまり、平均勾配が7%程度のヒルクライムなら「BIANCHI Via Nirone」でも疲れずに上れるけど、平均勾配が8%以上になるのなら「GIOSアンティーコ」を使ったほうが楽ということになります。しかし、「GIOSアンティーコ」を使ったとしても勾配が12%になるとケイデンスが60rpmを切ってしまうため、サイクリング気分で走れる範疇を超えてしまいます。「GIOSアンティーコ」のフロントを30Tにすれば60rpmを維持して勾配12%の坂を疲れることなく上れるようになります。
なんとか30分程度は頑張れる「平均出力185W」の場合も求めてみました。
平均勾配 | 平均速度 |
---|---|
5.0% | 15.0km/h |
8.0% | 10.3km/h |
10.0% | 8.6km/h |
12.0% | 7.2km/h |
15.0% | 5.9km/h |
20.0% | 4.5km/h |
「平均出力185W」なら勾配14%を速度6.3km/hで上れることになりますが、激坂仕様のGIOSアンティーコでも56rpmになってしまいます。
それでは、フロント30T、リア28T、出力185Wの条件で、勾配と速度とケイデンスの関係を求めてみます。
ケイデンスA : 20インチ(451) 1-1/8 ケイデンスB : 700x23c
勾配 | 速度 | ケイデンスA | ケイデンスB |
---|---|---|---|
10.0% | 8.6km/h | 87rpm | 64rpm |
11.0% | 7.8km/h | 79rpm | 58rpm |
12.0% | 7.2km/h | 72rpm | 54rpm |
13.0% | 6.7km/h | 67rpm | 50rpm |
14.0% | 6.3km/h | 63rpm | 47rpm |
15.0% | 5.9km/h | 59rpm | 44rpm |
16.0% | 5.5km/h | 55rpm | 41rpm |
17.0% | 5.2km/h | 52rpm | 39rpm |
18.0% | 5.0km/h | 50rpm | – |
19.0% | 4.7km/h | 47rpm | – |
20.0% | 4.5km/h | 45rpm | – |
21.0% | 4.3km/h | 43rpm | – |
22.0% | 4.1km/h | 41rpm | – |
23.0% | 3.9km/h | 39rpm | – |
※タイヤ周長1545mm、フロント30T、リア28Tという条件だと、速度とケイデンスの関係が分かりやすいです
「GIOSアンティーコ」のチェーンリングを30Tにすれば、高トルク走行にならずに走れる勾配は15%程度まで、蛇行せずに直進できる勾配は22%程度までとなります。しかし、「BIANCHI Via Nirone」のチェーンリングを30Tにしたとしても、蛇行せずに直進できる勾配は16%程度までとなります。
以上のことから、「平均出力150W(気合を入れて185W)」のサイクリストが激坂ロングランをするのなら、「GIOSアンティーコ」のチェーンリングをアルテグラの「52-39-30T」に交換すると良いとなりますが、乗っている本人にしかその必要性が分からない変な自転車になりそうです。