八重洲出版「ニッポンのじてんしゃ旅」に期待

三十数年前、中学、高校生の頃に購入していた時期はサイクリングブームだったこともあり、サイクルスポーツ誌も“自転車小旅行”に関する記事が多かったような気がします。実は私もサイクリング中に取材を受けてサイクルスポーツ誌の記事になったこともあります。

それから時を経て四十半ばになってから自転車を再開して、サイクルスポーツ誌を時々購入しましたが、自転車ブームというよりはロードバイクブームということもあってか、ロードバイクの機材とか走らせ方など“ロードバイクありき”の記事ばかり目立つます。自転車旅に関してはおまけ程度の扱いで、たまに忘れたころにサイクリングコースなどの紹介がある程度です。ゆえにサイクルスポーツ誌を買う頻度は極僅かでした。

「自転車旅」に関しては主に「自転車人」が扱っていて、その後に専門書の立ち位置で「自転車と旅」が発刊され、途中から路線変更した「シクロツーリスト」も旅が主な記事になりました。しかしながら、残念なことに3誌とも現在は休刊状態になります。

結局のところ日本においては相変わらず「自転車旅」というものは根付かなかったのかもしれません。「ロードバイクありき」では「旅」に発展するわけはないため、「自転車旅」の書籍が売れないのは当然かもしれません。そもそも「旅」は自由なものであるため、書籍に紹介された道をトレースすることなど邪道かもしれません。

サイクリングイベントは相変わらず盛況のようですが、結局のところ自分でイチから全て考えて実行するという人が少ないのかもしれませんね。

そのような状況な中、八重洲出版から興味深い書籍が発売されました。 「峠道」と「PBP」の記事に釣られて購入した「サイクルスポーツ 11月号」に広告があったため、予約注文しておきました。


ニッポンのじてんしゃ旅 瀬戸内7海道サイクリングガイド (ヤエスメディアムック481)

サイクルスポーツ誌の連載記事「海道をゆく」を特別編集した書籍という位置づけにあります。これ一発で終わるのなら単なる総集編となるのですが、どうやらサイクルスポーツ誌は「自転車旅」にも力を入れていき、今後はこのような書籍を発刊していくようです。


「自転車旅」の書籍が全滅してしまったため、老舗のサイクルスポーツ誌がその荷を負う意義は大きいです。


「ニッポンのじてんしゃ旅」第一弾で取り上げている瀬戸内7海道とは「しまなみ」「とびしま」「さざなみ」「はまかぜ」「せとかぜ」「かきしま」「ゆめしま」です。


ブロンプトンの旅で走ったルートとマッチングしてみたところ、 「しまなみ」「とびしま」「さざなみ」「はまかぜ」を走行済みでした。「せとかぜ」については佐賀関から船で三崎に渡り松山まで海沿いを走る予定でしたが、メロディーラインが思いのほかキツくて時間切れになりそうだったため、松山行きを諦めて八幡浜を経由して大洲から輪行しました。よって「せとかぜ」は半分走行済みです。「かきしま」は2014年の広島遠征で走ろうかと考えていましたが、最終的には「野球観戦」を選択したため未走です。「ゆめしま」も「しまなみ」を何度も走っている人のオプションみたいなものになるため、未走です。

紹介されている道を走るだけでは旅とはいえません。それでは単なるサイクリングです。いかに自分の旅にするのか。

日本三大カルストの「秋吉台」と「平尾台」は既に走っているため、残り1つ「四国カルスト」も走っておきたい。これに絡めて「せとかぜ」。松山から呉へ船で渡って「かきしま」。復路は広島から新幹線で戻れば良いとして、スタート地点をどこにするのか。こういうことを考えるのも旅の楽しさというわけです。



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