M3L改の「なんちゃってフロントダブル」

「とりあえず東海道だけでも」と始めたブロンプトンの旅ですが、「日本一周」にスケールアップして、その残りも僅かになりました。内装3速のM3Lで旅を続けてきて、この「3速しかない」という制約で何度もキツイ思いをしてきましたが、手っ取り早く6速化させるという誘惑にも負けずここまでやってきました。

「日本一周」の残りのルートも3速で何とかなりますが、それとは別枠で日本全国制覇の一環としていくつかネタを用意してあります。さすがにそれらについては3速では「ひたすら押し歩き」になってしまうため、日本一周を終えた後にブロンプトン初号機M3L改を激坂峠仕様に進化させる予定でしたが。。。

消費税がアップする前に必要なものは極力買っておくことが賢明ですので、昨年末からあれこれと買い続けています。しかし、無理してまで急いで買う必要がないものもあるのですが、なんとブロンプトンのパーツと用品が3月1日から大幅に値上げされます。2014年モデルのブロンプトンが大幅な値上げがあり、時間差攻撃でパーツと用品も値上げです。

つまり、ブロンプトン初号機M3L改をカスタマイズするのなら「今」となります。

ブロンプトン初号機M3L改を「激坂峠仕様」にすべきパーツを発注済みですが、それを受け取るのは沖縄遠征後になります。

実はパーツの注文前に悩み、注文後もまだ悩んでいます。その根本的な原因は「外装2速化キットが手に入らない」にあります。内装3速モデルをポン付けで6速化させるキットがありますが、パーツの組み合わせを見る限りでは妙に割高な価格設定になっています。3速モデルと6速モデルとの価格差はあまり無いのに「6速化キット」が妙に高いというのは納得いきません。キットではなくパーツをばらで揃えたら少しでもコストを抑えることができますが、外装2速化キットにしか含まれていないパーツがあります。

「10速化」をターゲットにした場合にコストを抑える方法は内装3速モデルを買って、ハブの交換と外装パーツを付けることです。自力でやれば4万円あればできることです。つまり、「外装2速化キットを手に入れることができれば」という前提条件が付くのです。ところが、年明けから「外装2速化キット」が正規ルートでは手に入らなくなっています。

外装パーツのために6速化キットを買うというのは非常にムダです。そこでS2Lの外装パーツをM3L改に移植させて、10速化を狙っていたのですが、すんなり移植させる自信はあまりありません。S2Lを参考にM3Lに外装パーツを装着させることを予定していただけに「外装2速化キット」が手に入らないというのは非常に痛い。

悩み事がどうどう巡りとなってしまい、S2Lを10速化させるのが一番手堅いのでは?と落ち着いたところで、さらにパーツを注文。

スギノ MIGHTY TOUR ブラック 左クランク 167.5mm
スギノ MIGHTY TOUR ブラック 右クランク 167.5mm
KMC X9チェーン シマノ 9段 ゴールド
スギノ 42/34T ※これは再利用

これらを、さくさくとブロンプトン初号機に取り付けます。スギノのシングル用クランクからダブル用クランクに交換すると、107mmのBBでは折り畳むとインナーギアがチェーンステーに干渉するため、118mmに交換。

なおリアのスプロケットは前回のカスタマイズで既に薄歯になっています。

さて、いつものベンチマークコースをブロンプトン初号機で走ってみます。序盤の激坂区間は「2速」で上れ、真福寺の激坂コーナーからは「1速」でクルクル回して突破。その後も主に「2速」で進めて。。。

瀧脇小学校の長い急坂もダンシングを使うことなく登頂完了。勾配12%まではシッティングで上れることが分かり、一安心です。

シッティングで上れた理由は「インナーギア」です。今までは勾配が10%を超えた時点でダンシングを発動させる必要がありましたが、フロントが34Tならシッティングでいけます。ただし、ダイレクトギアである「2速」を使えばパワーロスが少ないため、遠征の時は「2速」でダンシング、心肺に負担を感じたら「1速」にして落ち着かせという繰り返しになるかと。今までは勾配が8%を超えたら「1速」を多用していたためパワーロスが大きかったかもしれません。ギア比の割には思うように進んでいかないという感触は「遊星ギア」にあるのかもしれません。

さて、上り区間が終わり、下りと平坦ですが、松平までの下り区間は強い向かい風のためクランクを回しても速度が出ません。フロントバッグが風の抵抗を大きくしていますが、遠征の時はフロントバッグを使っているため、今日もあえてフロントバッグを装着。

ゴール!

セクター1ゴールまでのタイムは「25分30秒」(前回「23分46秒」)
セクター2ゴールまでのタイムは「49分00秒」(前回「45分52秒」)
セクター3ゴールまでのタイムは「60分09秒」(前回「56分03秒」)
最終ゴールのタイムは「1時間23分53秒」(前回「1時間19分31秒」)

上り区間のタイムが大幅にダウンしていますが、シッティングで無理せずに上った結果です。

M3L改(内装3速)の速度
  3速 2速 1速  
フロント:42T

リア:14T
25.0 18.7 14.0 80rpm
31.2 23.4 17.6 100rpm

ブロンプトンの場合はケイデンスが若干低めになるため、80rpmを基本に上限は100rpm程度。追い風や下りで110rpm以上回しても疲れるだけですので、無駄なことはしません。

上りに関しては50rpmを切ると膝への負担が大きいため、初号機のギア比では勾配10%が限度。短距離なら12%もいけますが、荷物満載で勾配10%をひたすら上ると筋力ダウンが激しいため、適当なところで押し歩きになります。

そこで、インナーギアを装着してみると。。。

M3L改(内装3速)の速度
  3速 2速 1速  
フロント:34T

リア:14T
20.2 15.2 11.4 80rpm
25.3 18.9 14.2 100rpm

「1速」で50rpmなら7.1km/hとなるため勾配12%上れることになりますが、60rpmを切ると膝への負担を感じるため、勾配10%を楽に上れるようになったということにしておきます。

内装3速モデルでもヒルクライムをしたいとか峠越えコースを走りたいという場合に「なんちゃってフロントダブル」は有効的なカスタマイズといえます。

内装3速モデルでヒルクライムとか峠越えなどしないかもしれませんが、イザという時の「保険」にはなります。そもそも「なんちゃって」ですので変速機は付いていません。停車して「手」で変速させる必要があるため、頻繁に変速などできません。よって「保険」です。

続く



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