ブロンプトン初号機をさらに進化させて旅仕様Ver.5

今シーズンの東北と北海道遠征に向けてブロンプトン初号機をさらに進化させることにしました。実は、進化の途中で沖縄遠征をしているため、今回の作業で進化完了といったところでしょうか。

旅仕様Ver.4のブロンプトン初号機のギア構成

M3L改(内装3速)
  3速 2速 1速  
フロント:42T
リア:14T
25.0 18.7 14.0 80rpm
31.2 23.4 17.6 100rpm

フロント42T、リア14Tで「2速」のギア比は「3.0」。「3速」のギア比は「4.0」になります。この構成で平坦区間については3速固定で走ってきましたが、向かい風や緩い上り区間で「2速」にシフトダウンさせるのか微妙なところ。少しでも疲れを感じる場合は「2速」を使いますが、80rpmで18.7km/hですので、疲れているゆえに無理に回すことも無く20km/h以下で走ることになります。

なぜ「3速」を平坦区間用のギアにしているのか。もともと内装3速モデルには急坂用のギアが用意されていないため、トップギアを無くしてスーパーローギアを用意させるための方法が、フロント42T、リア14Tという組み合わせです。純正パーツではフロント44T、リア13Tとなり、イレギュラーでリア15Tも可能ですが、費用対効果を考えるとフロント44T、リア15Tが良いかもしれません。

内装3速モデルのノーマル状態のフロント50T、リア13Tという組み合わせでは、「1速」は緩い上り、「2速」は平坦、「3速」は下り専用みたいなものです。この場合の「1速」はケイデンス80rpmで18.0km/h、ケイデンス100rpmで22.5km/hとなるため、“ちょっとした上り”しか対応できません。ママチャリ感覚で走るならば「1速」が平坦区間のギアかもしれません。

ということでフロント42T、リア14Tの構成で日本全国制覇の旅を続けてきたわけですが、スーパーローの位置づけの「3速」でもシッティングで勾配5%程度、立ちこぎで勾配10%程度が限度です。短距離なら勾配16%超も上ったことがありますが、最近は勾配12%を超えた時点で素直に押し歩きします。山奥の峠道などで勾配10%が延々と続く場合は、小刻みな蛇行走行で乗り切ったことが何度もあります。ブロンプトンでアップダウンコースを走ると極端にアベレージが下がる理由は、上り用のギアが足りない、下り用のギアが無いからです。

勾配8~10%の上りがひたすら続く区間を無理なく走ることができれば。。。

という思いを以前からしていたため、沖縄遠征前にブロンプトン初号機を「なんちゃってフロントダブル化」させました。結果的には、インナーギアが沖縄本島の本部半島と東部で大活躍。ただし、シフトダウンの時は「踵シフト」、シフトアップの時は停車して「手シフト」となるため、「しばらくキツイ上りが続くのか…」と分かった時にしか使えません。つまり、アップダウンの連続という区間で使えるものではありません。

フロントダブルの恩恵を体感してしまうと、これを常に使えるものにしたいと思うのは当然のことです。

そこで「真フロントダブル化」となります。

弐号機と同様に「イトーサイクル ブロンプトン オリジナル 直付けフロントディレーラー用クランプ」を使ってフロント変速機を装着します。

フロントダブルのシフター(「ディズナ レバーハンドル マウント + ダイアコンペ Wシフトレバー」)は、暫定的ですがこの位置に設置。場所を変える可能性があるため、ケーブルは少し長めにしてあります。内装3速のシフターも左側に設置してありますが、これは右側奥に設置すると折り畳みに干渉するからです。

M3L改(内装3速)
  3速 2速 1速  
フロント:50T
リア:14T
29.7 22.3 16.7 80rpm
37.1 27.9 20.9 100rpm
フロント:34T
リア:14T
20.2 15.2 11.4 80rpm
25.3 18.9 14.2 100rpm

下り区間は「3速」のアウターギア、平坦区間は「2速」のアウターギア、向かい風なら「3速」のインナーギア、上り区間は全てインナーギアを使用。

フロント34T、リア14Tならばパワーロスが少ない「2速」を活用できます。勾配5%程度ならシッティング、短い勾配9%前後ならダンシング。そして「1速」にシフトダウンすれば、勾配8%もシッティングで楽に上ることができ、立ちこぎになりますが、勾配12%前後までは無理なく上ることができます。

ということで、「下りのギア」「向かい風のギア」「長い上り区間のギア」が手に入りました。パワーロスが少ない「2速」を平地区間で使えるというのもメリットが大きいです。

ついでに以前から気になっていたケーブルを

リアのアウター&インナーケーブルを交換。純正品のケーブルは貧弱すぎてブレーキレバーの付近で変な曲がりをしていて、そこが抵抗になっているような気がします。

フロントにはこのような細工をしました。イヨッキュさんのスペシャルブロンプトンに施されていた小技を真似しました。ブロンプトンのフロントブレーキのワイヤーの取り回しは無理やり感があって、以前から気になっていたのですが、この小技を見た瞬間に「これだ!」と感心したものです。

ブロンプトン初号機は旅仕様Ver.5に進化しましたが、さらなる進化をするかもしれません。

使用したフロント変速機

パナモリで使う予定だったFD-CX70を暫定的に使ってみましたが、弐号機で使ったFD-4600と比べてみると、どうも相性が良くないようです。走りに支障があるのならば、FD-5700に交換予定。

内装3速モデルを弐号機のように「20速化」させたいと考え、パーツを全て新規に用意した場合は総額11万円程度は掛かります。無理に「20速化」させた場合と今回の「フロントダブル化」で手に入るものの違いは「中間ギア」だけです。内装5段変速の「1速」と「5速」は使い物にならないため、実質的には内装3速モデルのハブに外装2段変速が付加されるようなもの。初号機と弐号機の違いですが、リアのギアが前者は「14T」で後者が「13-15T」になります。要するに「ちょっと重いかも、ちょっと軽いかも」と感じながら走ることになるのが初号機というわけです。



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