油圧式ディスクブレーキに比べて機械式(ワイヤー式)ディスクブレーキの効きはイマイチです。晴天日の場合は、ロードのブレーキ(BR-6700)より効きません。雨中走行になればディスクブレーキの恩恵は絶大ですが、どうしてもという場合を除けば雨の中を走ることはないため、ディスクブレーキはただ単に見た目がカッコ良いという感じです。
機械式ディスクブレーキの効きが悪い理由は、ローターをブレーキパッドで挟むのではなく、ローターにブレーキパッドを押し付けるような構造になっているからです。外側のブレーキパッドをローターに押し付け、ローターが歪んで内側のブレーキパッドに当たり、そのことで挟んでいるような振りをしているだけです。
油圧式ディスクブレーキはブレーキパッドがローターをガッチリと挟むため、優しくブレーキレバーを握らなければタイヤがロックするほどブレーキが効きます。
油圧式ディスクブレーキをワイヤーで引くという製品があるのですが、“ちょっと試してみる”には高額であり、後々のメンテナンスにも困りそうです。
機械式ディスクブレーキでもう少しマシなものは無いものかと探してみたところ。。。
ありました。調べてみると、パナソニックのカスタムオーダーの「クロモリ・エンデュランスロード」にも採用されているブレーキでした。パナソニックが採用しているのだからシマノ製品より性能が良いのかもしれません。
今回はダメ元で試してみるため、とりあえずフロント側だけ交換します。(リア側が効きすぎると危ないという理由もあります)
TRP Spyre-160 メカニカルディスク (楽天ショップで10098円)
※シマノ製品が「シングルピストン機械式ディスクブレーキ」で、この「TRP Spyre」が「デュアルピストン機械式ディスクブレーキ」というらしい
さっそく開封。160mmローター、アダプタ、ボルト類が添付されていますが、ポン付けで交換するため、これらは使いません。
シマノの製品の新型が手に入らず、LupoDにも使われている「BR-R505」を使ってきましたが、調整が面倒な割に効きがイマイチです。晴天時でもギュッとレバー引けば効きますが、軽く握った場合の効き具合が悪すぎるのです。
ブレーキパッドが分かるようにひっくり返して眺めてみます。ワイヤーを引くと、「BR-R505」は向かって左側のブレーキパッドだけ動いて“押し付ける”のです。「TRP Spyre」は両側のブレーキパッドが動いて“挟む”のです。どうやったら両側のブレーキパッドを動かすことができるのかと、カチャカチャやってみると、なるほどそういうことですか、という簡単なアイデアですが、なぜシマノがこの方法を採用しなかったのか不思議です。
ということでポン付けで交換。仮止めして、ブレーキレバーを強く握って、そして本締めすれば終わりです。「BR-R505」の場合は、そこからさらに調整が必要になりますが、「TRP Spyre」は一発で完了です。ここまで調整が簡単なら輪行も大丈夫かもしれません。ディスクブレーキの場合はホイールを外すたびに調整が必要になる確率が高いため、めんどうなのです。
この後は、ジテツウで検証予定。
追記.
LupoDで使っていた頑丈な手組ホイールですが、ディスクブレーキ用のホイールが5セットもあるため、実験を兼ねて軽量版リムに組み直してもらっています。もし、そのホイールが実用的で、さらに「TRP Spyre」の効果があれば、ブルベにROMA(改)を投入するかもしれません。 ※ブルベに使ってこそ機材の実力が分かります。
追記(4月11日).
リアも「TRP Spyre」にしました。