機材が絡む趣味というものは深みに嵌っていくと「欲しい」より「知りたい」という欲求が強くなっていくのは、「デジカメ遊び」に引き続き「自転車遊び」にも当てはまるようで、“ちょっと試す”ために膨大な費用が発生しています。そして、ついに「これだけは手を出さないでおこう」というものに踏み込むことになります。
ブロンプトンの旅に掛かる費用も趣味の範疇を超えていますが、今までは「車を買い替えるのは延期」ということで資金繰りをやってきました。しかし、今年は嫁さんの車を買い替えることが決定していて、私のアルテッツァはそろそろ15年目に突入します。
ということで、「自転車遊び」に割り当てられる予算を削る必要があるわけですが、削る前に「知りたい」の最終段階をやっておきます。
まずは“おさらい”です。
2013年の中部200のコースデータは「距離: 205.05km 高度上昇値:2,963m」、グルメなしで所要時間は約11時間40分でした。若干距離が多めでしたので、距離補正させて実質11時間30分。
2015年の中部200のコースデータは「距離:201.53km 獲得標高:2,871m」、下り区間で挽回できないコース、パンクのタイムロス、グルメありで所要時間は約12時間でした。仮に道路状況が良ければグルメありで11時間30分だったと推測。
2013年はクロモリの「パナモリORC16」、2015年はアルミの「ビアンキニローネ」を使用しています。
似たようなコースを走っても「ビアンキニローネ」ならグルメを楽しむ余裕がある。つまり、クロモリよりアルミは「速い」となります。
ちょっと待って単純に走行時の負荷が違うのでは?
ジテツウトレーニングで試していますが、心拍数を少し高めるだけでアベレージなど随分変わります。
「パナモリORC16」で走った時の心拍数
心拍数が頻繁に150を超え、120km地点辺りまでは無理をしていることが分かります。
「ビアンキニローネ」で走った時の心拍数
130km地点辺りから心拍数を上手く拾えていませんが、全体的に心拍数を抑えて走っていることが分かります。
2013年の中部200はブルベのデビュー戦ということもあり、ペース配分に慣れていなかったともいえますが、仮にそうだとしてもエンジンそのものは2013年の時が一番元気だったと思います。
ということで、「ビアンキニローネ」は「パナモリORC16」は“速い”ということになります。タイヤについては、「ビアンキニローネ」にはグラベルキング26c、「パナモリORC16」にはPRO4SCを使っていたため、足回りの重量ハンデは「ビアンキニローネ」にありました。
この時点で“知りたい”の対象は必然的に「フレーム」の違いです。
「カーボンフレームは良いよ~」
確かに良いかもしれませんが、「乗り心地が良い」とか「ロスなく進む」という、あくまでも感覚の話で合って“数値化”されていません。
私が知りたいのは、ブルベなどのロングライドにおける有意差を数値で示したものです。乗り心地が良くてロスなく進むのならば、所要時間はそれだけ短縮されるハズです。誰かそれを証明する人はいないのか。
この時点で“知りたい”という欲求はピークに達します。
完成車を買うと「また増やした」と家族からチクチク言われるため、フレーム交換という姑息な手段を取ることになります。「ビアンキ」ならフレームを交換してもバレません。しかし、ビアンキの場合はフレーム売りという選択肢が難しいため、完成車を買ってパーツを全て入れ替える必要があります。「これなら」というものは最低でも11速の105のコンポが使われているため、パーツがムダになります。その前に2015年モデルは手に入りません。
ちなみに他の“売れ筋ブランド”のものを選択することはありません。機材として優秀でも普通過ぎて魅力を感じないというか…
いくつか候補を挙げつつ、今回は保留かなと決めて、遊びの範囲を広げるためにシクロクロスの手組のホイールを組み直すことにしました。2セットある手組のホイールのうち、XTRハブを使っているホイールのリムを軽量版に交換して、リムの重量差が走りにどのくらい影響するのか“知りたい”からです。
3月の某日、安城のショップにホイールを持ち込み、組み直しの依頼をしていると、なんと目の前に候補に挙げていたフレームが鎮座しています。サイズもちょうど良い。これは運命なのか。
しかし、衝動買いできる価格ではないため、ここはグッと気持ちを抑えて、とりあえず新しいホイールで遊ぶことにします。
そして3月末の過酷な名古屋400を迎えます。疲労困憊ながらシミュレーションより若干早い24時間切りで完走。やれやれアルミでも柔らかいC24にグラベルキング26cを使えばなんとかなるかと無理やり自分を納得させていると…
なんと、カーボンに乗り換えた「りょうさん」が名古屋400で爆走して、あの過酷なコースをまるで平野部を走ったのかと思えるタイムでゴール。若いからエンジンが強化されているのではと思えるのですが、トレーニングを積んでいる様子はなし。その代わりにロングライドを頻繁にやっているらしいので、そのことでエンジンが強化されているのは間違いない。しかし、それだけであそこまで速くなるのだろうか。
名古屋400の翌日、あのフレームが既に売れてしまっていることを願いながらショップに見積もり依頼。売約済みなら諦めがつきます。
しかしながら、この地区で「フレーム交換」をする人はそういるわけはなく、工賃と追加パーツを含めた見積もりが届く。
一晩考えて………注文。
4月5日、ニローネを解体して転用するパーツをショップに持ち込み…
ショップから途中経過の写真が届くとワクワクドキドキが高まる日々。
想像通りカッコ良く仕上がりそうです。
メーカーの完成車売りとは違う個性的なカラーコーディネートで「自分のロードバイク」を演出。見た目重視です。
これとか
こんなのも
さらにこれも
このフレームに出会うための伏線だったような気がしてきます。