山岳ブルベのために「FC-6800 46/36t」に交換

完成車売りのコンフォート系ロードバイクは、フロント50/34t、リア12-25tが長いこと定番でしたが、最近になってリア11-28tとか12-28tが使われるようになり、11速コンポに切り替わったタイミンクで11-32tが使われるものもチラホラ現れました。

平野部しか走らないとか上りでもガシガシ踏みまくる人なら「フロント50/34t、リア12-25t」でも良いかもしれませんが、脚力が“並み”の人がアップダウンが多めの平野部を走り、さらに山間地も走ろうと思うのならば「フロント50/34t、リア12-25t」は非常に使い勝手が悪い組み合わせです。

完成車売りを「こんなものでしょ」とそのまま使い続けている人も多そうですが、私は2009年3月にLupoDを購入してすぐにあれこれいじくりました。

アウターギアで平野部を走っても殆どロー側のギアしか使いません。山間地ではアウターとインナーのギア比が離れすぎているため、リアを2段変速させる必要がある。急坂の上りではインナーローでもギア比が重すぎる。

走りながら少しずつ脚力を向上させていくためには、「フロント50/34t、リア12-25t」など使ってられないと結論付けて、2009年7月時点で「フロント46/36t、リア11-32t」にしました。当時のシマノ製品には「46/36t」が無かったため、ストロングライトの「CT-2」を使いました。


フロントをクロス気味にすると、フロントをチェンジする時にリアをチェンジさせる必要性が減るため便利です。アウターが46tなら平野部で、インナーが36tなら山間地でリアの使う段数が増えます。アップダウンが多めにある平野部ならアウターだけで走り続けることができるため、使い勝手が非常に良いです。


しかし、フロントのインナーが36t、リアが12-25tでは山間地がキツイです。そこで投入したものが「XT(CS-M770)」の11-32tでした。

左が12-25T、右が11-32tです。大きさが全然違います。当時はロード用パーツにはワイドギアが存在しなかったため、11-32tを使えるようにするには結構苦労しました。

2011年になるとLupoDをロードバイクと併用していたため、ギア構成をなるべくロードバイクと近いものにしたくなり、「フロント48/34t、リア11-28t」を試したこともあります。しかし、その組み合わせは短命に終わります。

手組ホイールを購入したタイミングで、「フロント42/34t、リア11-34t」にしました。


この組み合わせの場合、インナーギアはあくまでも激坂のための保険みたいなもので、勾配10%程度まではアウターギアだけでいけます。フロント42tでは下りで回し切ってしまう可能性はありますが、下りの安定感が非常に良いLupoDに頑丈な手組ホイールといえども、下りで50km/h以上出すのは危険です。回して45km/hで頭打ちになったとしてもそれで十分です。つまり、リアに11tがあるのならばフロントは42tあれば良いということになります。


もともと「シクロクロス」というよりは「サイクリング車」という雰囲気のLupoDですから、このギア構成でも見た目は悪くありません。

その後も自転車の台数が増え続け、LupoDをジテツウ&買い物向けにフラットバー化&10速化させたタイミングで、余っていたパーツを流用して「フロント50/34t、リア12-28t」にしてあります。


10速の「11-32」や「11-34」が発売されたら再び交換するかもしれません。


LupoDの経験を踏まえて、パナモリORC16は「フロント46/30t、リア11-28t」にしてあります。平野部はアウターギアだけでいけて、激坂でもくるくると軽く回して上り続けることができる構成です。

さて、前置きが非常に長くなりましたが、山岳ブルベ用に購入したフェニックスをどのように仕上げるのかです。先日の山間地200kmコースを走り終えて、その日のうちにパーツを注文しておきました。何事も「PDCA」を回すことが重要。


手持ちのパーツをやりくりすれば新規に買うこともないのですが、グレードダウンを嫌って「FC-6800 46/36t」を購入。


「FC-6800 46/36t」の重量は669g。

シマノが「シクロクロス」用途で発売したクランクセットです。シクロクロスのレースでフロントをシフトチェンジするのか分かりませんが、「○○用」で販売した方が売りやすいのかもしれません。

平野部での使い勝手が大幅に向上するアウターギア46tはお勧めです。山岳ブルベならば、できればスギノの46/30tが良いのですが、使い勝手を優先させることとフレームとの相性などもあるため、46/36tにしました。


外した「FC-6700 50/34t」の重量は700g。

「FC-6800 50/34t」を購入した人のレポートによると、「FC-6800 50/34t」は680gらしいので、「FC-6800」は「FC-6700」よりも少し軽量化されているようです。

なお、11速コンポの「FC-6800」を10速コンポに混ぜて使うことをシマノは推奨していません。本来の性能を発揮しないため、当然かもしれません。1秒を争うレースではないため、使えないことはないなら使ってしまえというのが自己責任のカスタマイズです。


パナモリORC16は46t対応であることが明確に示されていたため全く問題ありませんでしたが、どうやらフェニックスの場合は48t以上に対応しているようです。直付けのFDを一番下まで下げてもこれが限度です。仮にもう少し下げることができたとしてもFD-6700ではチェーンステーに干渉します。フロントのシフトチェンジに“もたつき感”がありますが、10速と11速のコンポの混在ですから何が原因なのか分かりません。使えないことはないため、これでいきます。

フロントのインナーギアが34tから36tになってしまうと、上りがつらくなります。フロント34t、リア28tですら、筋力ダウン状態で上る場合は非常に重く感じます。


「CS-6700 12-30t」の重量は272g。

歯数:12-13-14-15-17-19-21-24-27-30


「WH-7900-C50-CL」で使っていた「CS-6700 12-25t」の重量は238g。

歯数:12-13-14-15-16-17-19-21-23-25

「なぜここでC50が?」となるわけですが、先日の山間地200kmでは「C24」を使いました。上りだけなら「C24」が良いのですが、下り区間の消えない不安感、平坦区間の巡航性、ダンシングに必要な剛性などを再検討した結果「C50」を山岳ブルベにも投入します。


というわけで、他人が見れば「これはありえないだろう」という「フロント46/36t、リア12-30t、ディープリムホイール」という組み合わせが私仕様です。

固定概念を捨てることから最適化が始まります。

チェーンは「フロント50/34t、リア12-30t」に合わせてあるため、CS-4700が発売されたら「リア11-32t」にするかもしれません。



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