アンティーコで乗鞍ヒルクライム2本立て

中部地区には標高差1000m以上のヒルクライムを楽しめる場所が数多くあります。代表的なものとしては富士山と乗鞍岳ですが、どちらも標高が高すぎるため夏場しか上ることができません。今回は「自転車で行ける日本で一番高いところ」である乗鞍を攻略することにしましたが、ただ上るだけではなく「二本立て」で挑みます。

本日のコース


自宅から3時間ほどで「朴の木平」に到着です。今日は絶好のヒルクライム日和、綺麗な青空と景色を堪能しながら、畳平を目指します。


ここからが一般車両通行禁止区間となっています。乗鞍スカイラインヒルクライムの計測開始地点をここにします。そしてノンストップでひたすら上り続けます。なお、上りの途中の写真は一枚もありません。

「朴の木平」から急坂が延々と続き、平湯峠を通り、乗鞍スカイラインに突入、そして夫婦松展望駐車場まで激坂が「これでもか!」と続くのですから、GIOSアンティーコを投入して正解でした。私の脚力ではロードでここを上ると途中で力尽きてしまいます。激坂仕様のGIOSアンティーコなら、美しい山々の景色を堪能しながら坦々と上れます。


坦々と黙々と上り続け、距離17km、標高差1300mのコースのタイムは2時間21分でした。「だいたい2時間くらいかなぁ」と予想していましたが、長時間上り続けるとなると、時間と共にパワーが落ちていくため、最後は気力と持久力だけを頼りとなりました。乗鞍スカイラインを上っている途中の景色は本当に美しいですよ。写真が無いのが残念ですが…


第二部に備えて補給タイムです。「とろろうどん+ごはん (900円)」で補給完了。


定番の記念写真ポイント。今日は9月の平日ですので、観光客が非常に少ないです。シャトルバスの本数も少ないのか、上下合わせても数台しか見かけていません。そのため安心して“のんびりヒルクライム”を楽しめます。


食事前はドピカン晴れだったのに、嫌な雲が漂ってきました。


さて、岐阜側から上った後は長野側に下ります。岐阜側の景色は見える方向が幅広いため、かなり良い感じでしたが、長野側はこの景色が変わることはありません。


乗鞍エコーラインは九十九折で麓と山頂を繋いでいるような雰囲気で、見るからに単調な道路に感じます。下りのコーナーでリアタイヤがズルズルと流れて非常に不安定ですが、再びここを上るためタイヤの空気圧を下げるわけにはいきません。せっかくの下りですが十分に減速して慎重に走ります。


下りが大好きな人が多いのか、こんな看板がやたらと設置されています。スカイライン側ではタクシーは殆ど走っていませんが、エコーライン側は結構な台数が上ってきます。たぶん、タクシーにとって自転車は危険な存在なのかもしれません。


三本滝レストハウスでソフトクリームをいただきました。三本滝の近くに熊が出没したそうで、滝を見に行くことはやめましょうということになっています。


一般車両通行禁止区間の始まりを乗鞍エコーラインヒルクライムの計測開始地点にしました。

スカイラインに比べるとエコーラインは「なんて気軽なヒルクライムコースなんだろう」と感じます。特に三本滝から5km過ぎまでは「これがあの『全日本マウンテンサイクリングin乗鞍』のコースなのか?」と思えるほど緩いです。そこから先も激坂が多少はあるとしても「これならロードでも大丈夫かも」という雰囲気。スカイラインはインナーローを使う割合が80%に対して、エコーラインは10%程度です。ロー側を2枚残して上っている時に、残していることすら忘れて、激坂区間を「うわぁキツイ~」と滝汗で上って、ふとギアを見ると「あれま」と気が付くほどです。ここはあくまでもタイムを競う場所なんでしょうね。「上ることに価値がある」というサイクリングレベルのヒルクライムの対象としては面白くありません。終盤まで景色が変わることなくひたすら林の中を走ってるので、ここは「神坂峠」と同じと思えばいいかも。


といっても、二本目となると筋力もなくなり、ゴールまでの残り2kmが非常に長く感じ、ダンシングする余力もなくなり、余裕があるハズのインナーローを使ってもラストの500mを蛇行走行で乗り切ってゴール。距離13km、標高差920mのコースのタイムは1時間38分でした。


再び畳平に立ち寄ってみると、乗鞍岳の頂上付近は全て雲の中です。視界は50mほどでしょうか。


今日は熊避け代わりに鈴を付けて走りました。駐車場のトイレで“下り”用にスポーツウェアに着替えて、そしてタイヤの空気圧を少し下げます。それにしても、麓ではまだ汗だくになりますが、畳平では寒いくらいの気温になっています。鼻水が止まりません…


往路で写真を撮らなかったことが悔やまれますが、あの素晴らしい景色は目に焼きついているので良しとします。


雲の中を数キロ下ると面白い景色を見ることができました。麓では晴れ間が見えているのに、自分は雲の中を走ってくると、乗鞍スカイラインは“天空のスカイライン”ということを実感できます。


往路では激坂に苦しみながらも景色を堪能でき、復路では快適なダウンヒルを楽しめた乗鞍スカイラインでした。中部地区在住の自転車乗りなら、乗鞍スカイラインを走ってみましょう。お勧めです。


ノンストップで上ったため立ち寄れなかった平湯峠で記念写真。岐阜側から乗鞍を上るのは大変ですが、走り応えありますよ。


「畳平」から「朴の木平」までは約20kmですが、ずっと下り(急坂だけど)ですので、あっという間に到着です。そういえば往路で楽しそうに下ってくる折り畳み自転車に乗っている人を見かけましたが、たぶんですが「上りはバス、下りは自転車」なんでしょうね。もし登山もセットで楽しむのなら、複数メンバー構成にしてサポート要員が荷物をバスで運ぶと良いかも。

今春から山間地を重点的に、そして獲得標高に拘って走ってきたのは、「乗鞍ヒルクライム二本立て」のためといっても過言ではありません。走行タイムは極遅ですが、スカイラインとエコーラインをまとめて攻略できて大満足です。持久力と気力さえあればなんとかなるものです。

「朴の木平」を起点に9時40分スタート、16時50分ゴール。本日の走行距離は約68km、獲得標高(累積標高差)2433mでした。



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