Vol.1 AR中部「BRM302 岩村200km」

今年から「ブルベ」に挑戦することにしました。なぜ「挑戦」なのかは、何事も中途半端になることは嫌いで「やるからには」という性格ということもあり「シューペル・ランドヌール(SR。英語ではスーパーランドナー)」を狙っているからです。

200km程度なら普通に走れることもあり、わざわざブルベで走る必要はないと思うのですが「Randonneurs Club Nagoya(RC名古屋)」主催のブルベに参加するためには順番に取得が必須条件になっています。

名古屋の弁天島200なら11時間程度で余裕を持って完走できるため、ブルベの練習と言うか雰囲気を感じるために「それでは」と思ったものの、なんと名古屋は人気がありすぎるのかあっと言う間に定員に達してしまい参加できず。

そこで何も考えずに「このコースは面白そう」と感じた「Audax Randonneurs Chubu(AR中部)」の岩村200に申し込み。ところが、暫定ルートが発表され、ルートラボでトレースしてみると、なんと獲得標高が3000mもあります。ブルベのデビュー戦としては難易度が高すぎますが、山間地ロングライドは何度もやっているため、12時間程度で完走できるだろうなと心配は特になし。最大の難題は「夜間走行」にあります。

私は夜間走行を回避するため、6時スタートで18時ゴールを基本にしているため、ブルベの8時スタートは時間帯が遅すぎます。さらに参加人数が多すぎるということもあって、8時30分スタート組になってしまい、3時間ほど「夜間走行」になり、そこだけが心配です。

試走やら準備やらであっと言う間に3月2日になり、ブルベスペシャルのパナモリ「ORC16」でブルベデビュー戦「BRM302 岩村200km」に挑みます。


中部200のスタート~PC1 距離39.7km、獲得標高424m
中部200のPC1~PC2 距離32.4km、獲得標高702m
中部200のPC2~PC3 距離41.9km、獲得標高841m
中部200のPC3~PC4 距離56.2km、獲得標高629m
中部200のPC4~ゴール 距離34km、獲得標高190m
※GPSのデータ


過酷になればなるほどブルベを楽しむことができるベテラン勢


ブルベのためにローラートレーニングに励む若手のホームの鉄君。


岩村200kmに挑むのは、なんと驚きの180名。獲得標高3000mのコースであることを知らずに申し込んだ人、獲得標高3000mを楽しむために申し込んだ人。


8時30分スタート組の順番がやってきました。完走目指して各自マイペースでスタート。。。のハズですが、いきなりハイペースで「これが山間地を走るペースなのだろうか」とちょっと不安になるも、犬山の上り区間に大集団で突入したくないため、8時30分スタート組の先頭グループについていくことに。


10時26分、PC1に到着。ここは混雑回避のため「有人チェック」でしたが、とりあえず缶コーヒーで一息。めばるーずのちょいメタボ君は、坂でも速くなっていて、この先の定光寺の激坂も爆走で上りきったとか。私は今日も「カメさん走行」に徹するため、心拍数抑え目のマイペースでいきます。


激坂耐性が試される最初の正念場「定光寺の激坂」。ダンシングを封印して、前乗りシッティングでリズム良く上ります。もちろん今日もミュージックありです(ゴールまでミュージックあり)。そして特に苦労することも無くクリア。この先の瀬戸からの長い上り区間もムリせずに坦々と上り続け。。。


12時24分、PC2に到着。コンビニにはブルベの参加者が溢れていて大混雑。自転車を置く場所を探すのも大変。さらにレジに長蛇の列ができていて、缶コーヒーを買うだけ大幅なタイムロス。実は作戦としてここでのタイムロスを抑えるために、補給ポイントを少し先に設定しています。缶コーヒーを一気飲みして、小原へ向い、その途中のコンビニで昼食タイム。パスタ、おにぎり、オレンジジュース。


先日の試走では積雪で通行できなかった峠区間。なんと奇跡的に雪が全くありません。たった1週間で真冬から春にまってしまったような雰囲気。「ブルベ主催者は神か!」とこの時は思ったものです。


しかし、この先のコースがこれまた「これでもか」と続く山道。私好みではありますが「200km」に組み込むのはちょっと。


15時10分、PC3に到着。明智を過ぎたところで偶然にも「めばるーず」に追いついてしまいました。まさに「ウサギとカメ」状態で、休憩たっぷり、グルメ三昧、爆走のウサギチームと、休憩少しでゆっくり走のカメチームがちょうど中間地点で合流。ところが、ウサギチームの速度は相変わらず速すぎて、5分も持たずに千切れることになるのです。列車についていこうとすると心拍数が160を越えてしまうため、千切れたと言うよりは「やーめた」が正解です。平坦区間は心拍数140~150で走ることに決めているので。

明智までは太陽が出ていて「今日は良い天気で暖かいよね」と、がくさんと話しながら走ってきたのですが、ウサギチームに合流した途端に気温が下がり、なんと雪が。。。気温がいっきに下がったことが原因なのか、PC3で自転車から降りようとしたら、右脚の太ももの裏側がピシッと攣ってしまい動けない。しばらく静かにしていると治まったため補給タイム。ここではポカリスエット、メロンパン、栗どらやき。

中山道の激坂へ向う区間は、向い風となり、下りなのに楽ができず、徐々に筋力が失われていきます。試走の時に休憩したコンビニでバニラアイスとコーヒー牛乳の切り札セットを投入。元気が出たところで中山道の激坂をいっきに上りきるかとスタートすると、なんと序盤の数百メートルを上ったところで左脚が攣ってしまい片足ヒルクライム状態。右脚までピクピクしてきたため、自転車から降りて悶絶。がくさんから攣った時に飲むと一瞬で治まるという薬をいただいて様子見。がくさんには先行してもらうことにして、しばし小休憩。


2分くらいで治まってきたため、ムリせずに坦々と上り続け、16時55分登頂完了。あれ? がくさんがいない。上りで苦しんでいる人たちを何人も追い越したので、決して遅いペースでは無かったはずなのに。。。そろそろ日暮れになるのに、旧道を独りで走るのは寂しいものです。下りもそれなりに走れば、きっと追いつくはずと頑張ると、短い上りで再び左脚が攣ってしまう。何度も脚を攣るなんて自転車遊びで初体験です。


すでに日が沈み、独りで夜道を走るのは嫌だなと思いながら、なんとか18時24分にPC4に到着。なんとウサギチームがくつろいでいて、余裕綽々という雰囲気。私は甘い菓子パンと缶コーヒーでエネルギーチャージ。ここで、がくさんと再会して、二人でゴールを目指しますが、「もうあとは平坦だよね」という期待は裏切られ、急坂が何度も現れ「最後まで楽しませてくれる!」と嘆きたくなります。さらに「ここは夜に走る道じゃないだろう」という雰囲気のコーナーが連続する区間では、強力なライトをコーナーのイン側にいちいち向けて走る必要もあり、精神的に疲れます。ようやく犬山市内を通過して、あとはひたすらまっすぐ走るのみという区間は、向い風。。。


20時10分頃にゴール。正直言って体力的にというよりは精神的に疲れました。


早々とゴールして、まったりと過ごすウサギチーム(チームめばるーず)の面々、お疲れ様。ブルベなのに爆走列車はすごすぎます。

一週間前の試走では路面凍結と積雪でどうなることやらと心配になりましたが、前日の雨と気温上昇という奇跡が起き、路面コンデションは良く、トラブルもなく走ることができました。岐阜南部のルートを熟知したスタッフが設定した岩村200は、走り応えがあり、景色も楽しめる素晴らしいコース。この日のために何度も試走をしたスタッフの苦労を伺えます。ありがとうございました。

無事、ブルベデビューを果たすことができました。デビュー戦が獲得標高3000mという過酷なルートだった割には、余裕を持たせて走り終えることができたため、次回の300kmの3本(京都、名古屋、中部)への自信にもなりました。

距離: 205.05km
高度上昇値: 2,963m
平均スピード: 20.9km/h
平均心拍: 143bpm
平均バイクケイデンス: 79rpm
平均気温: 6.1℃

標高と心拍数

渋滞回避のために序盤に負荷を掛けすぎました。上り区間も試走の時よりも若干高めになっています。補給に関しては、ロングライドの時は、食べ物、飲み物をしっかり考えて補給、さらに休憩時間も長すぎず短すぎず上手く取れていますが、ブルベの時は精神的な余裕がなくなるのか、適当になってしまいました。たぶん理由としては「早くゴールしたい」という気持ちが強すぎかと。同じような200kmを走るにしても「時間」という概念の有無がブルベとサイクリングの違いかもしれません。

ロングライドの実績データから岩村200をシミュレーションして、それを時折チェックしながら走りました。

中部200のスタート~PC1 39.9km(509m/423m)=51.8 2時間9分30秒
中部200のPC1~PC2 32.5km(740m/696m)=48.18 2時間0分27秒
中部200のPC2~PC3 41.9km(868m/550m)=65.62 2時間44分3秒
中部200のPC3~PC4 56.1km(682m/1022m)=62.94 2時間37分21秒
中部200のPC4~ゴール 34.3km(199m/270m)=36.86 1時間32分9秒
11時間3分30秒。
PC3~PC4の間で1回、PC4~ゴールの間で1回追加。計6回。休憩時間は平均10分。

シミュレーション
8時30分スタート、10時40分PC1、12時50分PC2、15時45分PC3、18時42分PC4、20時34分ゴール。

結果
8時30分スタート、10時26分PC1、12時24分PC2、15時10分PC3、18時24分PC4、20時10分頃にゴール。

区間データ
  タイム 距離 高度上昇値 高度下降値 平均スピード 平均心拍 平均ケイデンス 平均気温
START~犬山 0:42:07 17.9 107 80 25.5 148 90 6.5
犬山~PC1 0:58:03 22.0 376 319 22.7 147 83 8.0
PC1~PC2 1:39:14 32.7 725 688 19.8 148 76 10.1
PC2~PC3 2:14:55 41.9 878 555 18.6 150 76 8.2
PC3~PC4 2:38:40 56.3 671 1046 21.3 139 78 3.3
PC4~GOAL 1:35:03 34.3 204 287 21.6 132 84 1.5

結果的にはPC2までに作った貯金「25分」を最後まで残すことができたことになりましたが、脚が攣った影響で「PC3~PC4」で7分のタイムロス。ペースが大幅に落ちるかと思えた「PC4~ゴール」で挽回。(予定していた「PC4~ゴール」の区間の休憩はなし)

中盤までに貯金が60分くらい作ることができるのなら「グルメ」もありでしょうが、今のところはその余裕はありません。



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