ビアンキニローネで200kmブルベ「BRM308中部200激坂峠巡り」

今年の「アンティーコとブロンプトンでダブルスーパーランドナーを狙ってみる」という妄想は早々に砕かれましたが、せめて「BRM308中部200 道はうねれど田畑は平坦? 棚田へ行こう!」にはブロンプトン弐号機で参加しようとエントリーしました。昨年の中部300にはブロンプトン弐号機で参加しているため、今年の中部200もそうしようという簡単な理由でしたが。。。

コースが発表されてすぐに「ブロンプトンでは100%ムリ!!」と諦めました。獲得標高が3000m近くあり、アンティーコでもギリギリどうだろうかという“数値”ですが、Qシートを見ながらルートラボを引いてみると「なんじゃこりゃ!?」のオンパレードです。獲得標高が問題ではなく、勾配のことです。はっきり言って峠マニアが走るようなルートになっているため、ブロンプトンどころかアンティーコでも制限時間内に完走することは不可能に近いコースです。

アンティーコでムリに走ってもツライだけで楽しさも面白さもないため、ロードバイクを使うことにしましたが、ブルベ初年度で使ったパナモリORC16ではなく、ニローネを投入します。クロモリフレームとアルミフレームの違いが走りにどのくらい影響するのか、その検証を兼ねています。

ニローネで試しに弁天島200kmコースを走った時の非公式タイムは「8時間47分」でした。
アタック・ザ・弁天島200km

「アルミフレームは疲れるけど速い」が真実なのか。

ゆっくり走るために用意したパナモリORC16が疲れない理由は、ムリせずにゆっくり走ったためであって、ニローネで走った時に疲労困憊になった理由は、少しでも早くゴールしたくて最後まで真剣に走ったためです。ただそれだけのような気がします。

機材の話は“机上の空論”みたいなことが多く、実際に自分で検証してみて、それが自分にとっての正解であります。他人のインプレはその人の主観でしかないわけで、万人の正解ではありません。

ということで、「ニローネ + WH-7900-C24-CL + グラベルキング26c」という組み合わせで中部200を走ってみます。アルミフレームに柔らかい足回りなら路面から受ける振動を和らげてくれるハズ。


パナモリORC16と同じ計算式で用意したタイムテーブル。パナモリORC16の時のようにムリせずに走りきった場合の疲労度を把握することが、今回の検証の目的です。


途中で何かあると困るため、自宅を5時少し過ぎに出発。道路は空いていて6時10分に「すいとぴあ江南」に到着。現地入りするのが少し早すぎました。


7時スタート組みがスタンバイしていますね。


眩しい日差し。今日は晴天予報ですが、山の天気は変わりやすいため、冬用品やら雨具やらと“念のために”携帯する荷物が多いです。それらをどのように運搬するのか工夫するのもブルベの楽しさでもあります。


がくさんのロードバイクのホイールは「GOKISO」。このホイールは神か悪魔か。。。上りでかなり引き離しても下りに入った途端にあっという間に追いつかれ、平坦区間では少しでも回すのを緩めると、後ろからブレーキング音を聞かされることになります。


今年の中部200は「道はうねれど田畑は平坦? 棚田へ行こう!」というサイクリングぽいタイトルが付いていますが、実は「過酷な峠巡り」です。序盤から脚が疲れてしまいます。8時スタート組みはウサギチームとカメチームにあっという間に分かれたようで、カメチームの面々とは最後まで似たようなペースで進むことになります。


10時18分、PC1。この時点で予定より5分ほど早く進行しています。PC2の後にグルメを楽しむためには、次の区間でどのくらいマージンを稼ぐことができるのかに掛かっています。


ブロンプトンの旅で走ったことがある中山道を進みます。今回のコースの前半部分は、ニローネの峠巡りとかブロンプトンの旅で走ったことがある道が結構あるため、懐かしさで頭の中がぐるぐると。


12時51分、PC2。ここを5分で切り上げるとタイムテーブルよりも30分の余裕が持てます。つまり、グルメタイムの確保成功ということです。

どこでグルメにしようかと悩むのは時間のムダですので、PC2から北上して最初に「ここは?」と思ったところにします。


寂れた感じがする「ドライブインひだ路元起」にピットイン。

とうもろこし豚の「ひれかつ御膳(1080円)」をいただきます。ごはん大盛り。柔らかい肉で美味しかったです。


食後はメインイベントの「蛭川峠」を倒します。

岐阜の峠巡り「グランフォンド恵那」の時は、「保古山」「苗木城跡」「切越峠」「遠ヶ根峠」「蛭川峠」を走りましたが、その中でも“おまけ”で立ち寄ったことを後悔した「蛭川峠」は非常に過酷な峠道です。

峠巡りをしていた時は「峠を上ること」が目的ですので、足付きせずに上ることに意義があります。しかし、ブルベの場合は終盤まで筋力を残す必要があるため、無理は禁物です。


峠巡りで「蛭川峠」を上った時のデータですが、距離2.9kmで獲得標高298mで、平均勾配10.3%という激坂峠です。この時の所要時間は25分も掛かっています。仮に半分歩いたとしては35分くらいで上り終えることができるハズです。


がくさんを激写するために、最初の激坂コーナーでカメラを構えてスタンバイ。がくさんと私は、PC2までの区間ですら「ギアが足りん、ギアが足りん、ギアが足りん」を連発してきたため、「蛭川峠」の序盤から脚がピクピクします。


「がくさん~押し歩きしても10分も変わらないから歩きましょうよ」と提案して、ここからはハイキングです。途中で押し歩きするブルベの参加者多数。ここはブルベで走るような道じゃないですよ。


少しでも勾配が緩くなる箇所は心拍数が高まりすぎない程度に走り、「蛭川峠」の登頂完了。峠はこれで終わりではなく始まりというところがこの中部200のコースの特徴。狭い峠道を上ったり下ったりの連続です。


はい、この棚田が「道はうねれど田畑は平坦? 棚田へ行こう!」の目的地です。この棚田を見るためにこんな苦労をしなくちゃいけないのか…というわけではなく、他にルートはあります。


実は今日の序盤でボトルが割れてしまい、ボトルがあまり役に立っていません。ここはまさに「命の水」です。何かしらの説明が書かれた看板があれば良いのですが何もありません。ただ、近くにコップが置かれているため、たぶん生水で飲んでも大丈夫。。。


急な上りで急な下り、要するに上りのタイムロスを下りで挽回することができません。下りは常に徐行速度です。今日はやたらとパンクをしている人を見かけるなぁと思いながら、PC3まで残り3kmほどの地点まで来ています。下りのタイムロスが大きいため、タイムテーブルよりも20分遅れてというのは仕方ありません。このまま何事もなく峠区間を終えることができればそれで十分です。

と思ったのもつかの間「パッーン!!」と猟銃で撃たれたのかと思ったほど大きな音。なんだなんだ。

徐行で下っていたため、すぐに停車してニローネをチェックしてみると、なんということか。。。


バーストしています。タイヤが外れてチューブが飛び出しています。よく見るとざっくりとチューブが切れています。何が起きたのかさっぱり分かりません。

タイヤが外れていてホイールが回らないため、ギアをトップ側にすることができず、ホイールを外すのも一苦労。チューブ交換後、携帯ポンプで100psiまで入れるのは疲れるため、80psi程度くらいでリスタート。コーナーでは自転車を傾けずに慎重にゆっくりと下ります。


16時43分、PC3。なんとか17時4分の「足切りタイム」を免れました。ここから先はトラブルさえなければ時間内完走が100%可能ですが、だんだん気力が薄らいできます。


「ほんと、もう勘弁して!!」と叫んだ最後の峠道。なんとか上りきっても下りが非常に怖く、ここもひたすら徐行です。


18時31分、PC4。

今日は体力よりも気力が尽きかけています。PC3からそのままゴール地点に向かうようなコースなら「大変だったけど面白かった」で済んだかもしれませんが、最後の峠区間で受けた精神的なダメージが大きくてブルベが嫌いになりそうです。

いつものならゴールが近づくと妙にハイテンションになって、ペースも高まるのですが、今日ばかりは「とにかく早く終わりたい」と老体にムチを打って走っている気分です。


20時過ぎ、ゴール。

アンティーコで走った名古屋300とは全く違う疲労感に包まれています。


距離:201.53km
獲得標高:2871m/2884m
平均速度:20.9km/h
平均ケイデンス:73rpm
平均心拍数:135bpm
情けないことにロードバイクなのにアベレージが21km/hを切っています。PC3到着時点では20km/hを切っていたので、最後の踏ん張りで多少なりとも挽回しています。それは「20時までにゴールできるかもしれない」という最後の希望があったからで、残り5kmでこのままではムリと諦めてからの時間が非常に長く感じました。

さて、パナモリORC16とニローネの違いはどうだったのか。コースがあまりにも過酷すぎたため、全く比較などできません。ただ、アルミフレームでもグラベルキング26cのようなタイヤを使えば、快適に走ることはできることが分かったことは、本日の唯一の収穫であり、「ムリしない走り」を徹すればフレームの素材の違いや重量差など誤差の範囲のように思えます。


ハートレートセンサー(胸バンド)がずれてしまうため、後半の心拍数が上手く拾えていませんが、全般的に負荷を抑えて走っていることが分かります。

2015中部200の時間内完走率が気になるところですが、来年はもっと過酷なコースになるかもしれません。

追記.

BRM308中部200のリザルトを集計しました。



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