BRM518名古屋600も無事完走と「グロス20km/h」の難易度

ブルベデビューイヤーにも関わらず順調に200、300、400をクリアしていき、いよいよ600に挑むことになりました。RPGのステージをクリアしていき、ついに“ラスボス”との対決といった雰囲気でしょうか。

ブルベの装備は試行錯誤の連続であるわけですが、400で試したことの続きと、さらなる改善に取り組みます。先日の試走で「C50」を使うことは確定済みですので、その他の項目です。

用意したもの。


GENTOS(ジェントス) ヘッドウォーズ 【明るさ200ルーメン/実用点灯10時間】 HW-888H
【2013年最新版】BIKE HAND (バイクハンド) YC-617-2S コンパクト トルクレンチ
Fizik Cyrano Carbon Seat Post 27.2mm x 270mm Carbon

長距離になればなるほど装備やら荷物が大げさになっていくパターンでしょうが、できれば長距離になるほど少しでも体への負担を減らすために装備と荷物を減らしたいものです。ブルベの装備で一番の重量化となっている点は「ライト」です。

ライトについてはブルベのためにいろいろと追加購入してきて、試走やブルベ本番で試してきましたが、長時間の夜間走行という経験は何度もできるものではありません。200の結果を踏まえて300向けに改善、300の結果を踏まえて400向けに改善、そして400の結果を踏まえて600向けに改善となり、「ハンドル周りは極力シンプルにする」に辿り着いたため、400で手ごたえがあった「HW-888H」を使います。もともとライト部分とバッテリー部分が分離されている明るいライトが欲しかったのですが、600だけのために追加で10000円の出費は痛い。そこで「HW-888H」を追加購入したわけです。


「HL-EL540RC ×2 + HW-888H ×1」を「HL-EL540RC ×1 + HW-888H ×2」に変更して、「HL-EL540RC」はハブ軸に戻します。「HW-888H」のバッテリーは400の時に試したようにステムのところに縛り付け、ハンドルが重くならないように一工夫。


ごちゃごちゃしていたハンドル周りがスッキリしました。「HW-888H」の点灯時間は10時間らしいので、トンネル通過時は右側だけ点灯、夕暮れと早朝は左側だけ点灯、そして夜間走行はダブルで点灯という具合に使えば電池切れすることはないハズ。


遠方については「HL-EL540RC」がカバーしてくれます。


お尻の痛み対策でシートポストを交換。少しでも路面からの衝撃を和らげてくれることを期待して、カーボンのシートポストを投入します。この機会にトルクレンチも購入。

そしてドキドキワクワクと不安と期待の中、「BRM518名古屋600」を迎えました。

結果としては36時間以内で無事完走して、600の認定を得ました。つまり、「シューペル・ランドヌール(SR。英語ではスーパーランドナー)」認定取得ゲームをクリアです。

昨年の下呂275kmで手応えを掴み、日々のジテツウトレーニング、さらにブロンプトンの過酷な遠征を続けているため、「ブルベは夜間走行さえなんとかすれば難しいことではない」という推測はそのものズバリで、特に苦労することなくオールクリアです。年間18000kmも走っていれば、サイクリングとブルベの違いは「夜間走行をするかしないか」それだけのことです。ただし、「制限時間」という制約があるためタイムマネージメントが重要になってきます。

しかし、実際に参加して「200&300」と「400&600」の違いに分かったことがあります。それは夜間走行のことではありません。それは「ファストラン」をやっている人たちと「認定目的」でやっている人たちの取り組む姿勢の違いです。本来のブルベというものは「できる限り早くゴールする」であるため、「制限時間内にゴールすればいい」というものはあくまでもブルベの敷居を下げているだけのこと。

昔に比べて路面状態が良くなり、機材も良くなっているため、「時間辺り15km」という制約は非常に緩いものです。荷物満載のブロンプトンの遠征の目安として、休憩とプチ観光を含めて「時間辺り15km」で計画を立てて、だいたいその通りに進めることができています。よって最低限の荷物を積んだロードバイクで常識的な道路を走るならば「時間辺り15km」は誰でもできます。(できない場合は実力不足)

200ならちょっと頑張ればグロス20km/hは可能、300なら無理すればグロス20km/hは可能、400では無理、600では非現実的というのが私の実力です。「ファストラン」をやっている人たちは600でもグロス20km/hが当たり前で、「いかにグロス25km/hに近づくことができるのか」に挑んでいるのかもしれません。「ブルベは競技ではない」と言われていますが、真剣に取り組んでいる人たちは「できる限り早くゴールする」でやっていることは間違いないので、ブルベはサイクリングではなくスポーツなんだと改めて分かった次第。

私が参加した4本のブルベのデータ(赤丸が私のゴールタイムです)
ブルベのデータ
これを見ると「グロス20km/h」の難易度が非常に高いことが分かります。距離に対して獲得標高が多かった岩村200は例外として、距離が伸びれば伸びるほど「グロス20km/h」の達成率が激減していきます。名古屋600の場合はお一人だけです。

4本それぞれに特色があります。「たった200kmでしょ」と気軽に参加した人が多かった岩村200は、山岳コースに泣いた人が数多くいたのでは。名古屋300kmは、前半の平坦区間が追い風で、後半の山間地区間は緩く長い上りが続くだけで難易度が低くDNFは極わずか(私は緩く長く続く上りが嫌いですので難易度が高くなる逆回りが好きです)。地図を見る限りは楽に思えた名古屋400は、折り返しの京都で心が折れた人が多かったのかもしれません。そして強者たちが集まる名古屋600ですが、むちゃくちゃ早い人が数名で残りはどんぐりの背比べのように何百キロ走っても参加者たちを見かけました。200、300、400をクリアしてきた人たちですから、ファストランをやっている人たちを除けば脚力がそれほど変わらないのかもしれません。

さて、SR認定ゲームをクリアできたので、延期なった中部300は観光サイクリングとして楽しみたいと思います。(どう転んでも「ファストラン」のレベルにはないので)

ブルベの場合、距離が長くなればなるほど平均年齢が高くなっていくことを実感しましたが、これは持久力と精神力さえあれば距離は関係なく走り続けることができるため、まる二日間も自分の時間を持てる人たちが対象になっていくからなのかもしれません。

といっても「二日間」で終わるイベントであり、ランニングコストも大して掛からないため、そこそこの時間と金があるオッサンたちの遊びともいえます。ロードレースやヒルクライムレースのようなトレーニングの必要はなし、数泊の旅に掛かるような金もいらない、自転車乗りとしての並みの体力、脚力、持久力があれば“やる気”だけでなんとかなってしまうのがブルベ。



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