5年ぶりの岩手&宮城の自転車旅

早々と今年のGW期間を10連休にすることに決めた企業が多そうですが、私の勤務先は3月に入っても確定していなかったため、例年通りのパターンなら5月の3日から6日の4連休になると思い込んでいました。たぶんそうなるだろうと予想して1月末の時点で4月の沖縄離島巡りの計画を立てたのですが…

3月中旬になっても確定しないため、管理部門に確認すると各自の判断で休んでくださいという適当すぎる回答。年中無休であるがゆえ、生産部門は大型連休とは無縁ですが、間接部門は基本的には日曜祝日は出勤しません。出勤すると休日出勤手当を払う必要があるので、どうしてもという場合を除けば出勤できません。

年間休日数は決まっているため、仕方なく大型連休をとってしまうと、GW以降の休みが足りなくなり、土曜出勤だらけになります。そのことを改めて管理部門に指摘すると、しばらくしてから有給処理してくださいという回答。会社の規程にどこにも書かれていなかったのに、会社の創業時から現在までの数十年間、管理部門を含めて管理者たちが勝手に「祝日を有給にできない」と思い込んでいただけでした。今までは、祝日が含まれる期間を有給申請すると管理部門が勝手に祝日は通常の休日扱いにしていた事例が多数あったようです。私が指摘しなければ、永遠に「祝日を有給にできない」になっていたはずです。

ということで、3月中旬になってようやく9連休になることが確定しました。私の勤務先では退職するまで二度とない大型連休になったわけですが、「いまさら困るなぁ」が正直な感想。

急いでプランニングに入りますが、猫島が一番最初に頭に浮かんだため「セントレア→仙台空港」のフライトを確保。実は船旅にしたかったのですが、既に全日満席状態でした。

そこからあれこれと検討しますが、なかなか上手くいきません。とにかく「どこに行っても激混み」が予想されるため、微妙に観光地を外す必要があります。途中で面倒になって、一番分かりやすい「日本一周補完計画」で再検討。


「仙台空港」スタートは確定のため、改めて東北エリアの走行済みマップをチェック。宮城県と岩手県も結構複雑なルートを走りましたが、行きたいところが多すぎた結果です。代わりに良くありがちな「海沿いルート」が省かれた区間があります。

「宮古市→八戸」は走行済みですが、石巻から宮古市の区間はぐるっと内陸部を走ったため三陸海岸をコンプリートしていません。初日に仙台空港から宮古市までひたすら列車移動するのもつらい、どうせなら遠野に立ち寄りたい。釜石から石巻まで走れば良いかという落としどころが見つかった時点で「仙台空港→北上~遠野~釜石~気仙沼~石巻(&田代島)→仙台空港」に確定。

あえて今「東北震災復興ツーリズム 石巻編」 2013年11月
夏草や兵どもが夢の跡「一関~平泉~花巻」 2013年11月
宮沢賢治の故郷と北上市の桜と鬼「花巻空港~横手」 2014年5月
角館の桜と田沢湖のたつこの像「横手~八幡平」 2014年5月
八幡平の雪の回廊と石川啄木の故郷「八幡平~盛岡」 2014年5月
三陸海岸の光と影に何を思う「盛岡~宮古~小本」 2014年5月
絶景の陸中海岸とウミネコの聖地「小本~久慈~八戸」 2014年5月

前回の訪問から5年経過して震災地がどのくらい復興したのか現地で自分の目で確認すること、岩手と宮城で旅費を使うことで復興支援になる。という都合が良い解釈も含めて5泊6日の「岩手&宮城の自転車旅」です。

自転車旅で使う撮影機材に迷走していますが、広角側だけで良いなら記録写真は「iPhone7」で十分ではないのかと「写りが良いコンデジ」と比較しても感じることが多々あったため、今回は「iPhone7」を多用しています。以下の掲載写真は一部を除いて「iPhone7」で撮ったものです。

※5泊6日のダイジェストレポートですが長いです

4月29日

少しでも激混みを回避したかったため、名鉄本線の朝一に乗ったところ「いつもよりちょっと多いかな」というレベルでしたが、神宮前でセントレア行きに乗り換えると超激混み状態です。東京の超満員の通勤車両並みで乗れない人がいるくらいです。全く身動きができない状態で進みます。そして空港カウンターも激混み、保安検査場の激混み、かなり余裕があったはずなのにあっという間に搭乗時刻です。2014年のGW期間とは混み具合が違います。


「セントレア→仙台空港」のフライトは結構な距離がある割にはプロペラ機でした。


仙台空港から仙台駅までの列車も激混み。この時点で疲れを感じます。


乗り換え時間が長いため、早々と昼食タイム。「鶏から揚げカレー南蛮そば 550円」をいただきます。


ブロンプトンとはいえ、置き場には気を使います。JRの場合はここに置くのが一番平和です。


乗り継ぎ乗り継ぎで落ち着きませんが、仙台駅からは全て座ることができています。


13時36分、ようやく花巻駅をスタート。大型連休がもっと早く確定されていたら、2014年5月の時のようにFDAで花巻空港まで行けば9時前には花巻空港をスタート可能で、フライト代金も安く、「仙台空港→花巻」の乗車賃3000円も節約できたのに…


本日の使える時間は4時間程度ですので、遠野まで移動するだけです。早く着けば少し観光できるかどうか。


桜がまだ残っていたため、初日はところどころで桜を楽しむ程度のサイクリングでした。桜が綺麗な自転車道が意外にも荒れ地でタイムロスが大きく、結果的には予定通りの17時30分に宿に到着。近くの公園を散策してから18時にチェックイン。


今年のGW期間のメジャーどころの観光地の宿の確保は厳しく、残っていたのが自転車旅においては過去最高価格に近い宿でした。高いだけあって、いつものビジネスホテルよりゆったり感があって落ち着きます。


既に夕食タイムに入っているため、大浴場は貸し切り状態です。そして、夕食は宿泊費に見合った豪華さがありました。

4月30日


以前のように連日130~170km走るという自転車旅ではないため、朝食バイキングもこのくらいで満腹です。


「遠野観光をする」も目的のひとつですので、予定では午前中の4時間程度を観光に費やすつもりでした。ところが、天気予報通りに宿を出て十数分後には雨が降り出し、観光気分も激減。途中から走るのもやめて「遠野→釜石」の区間をワープしようかと思い始めましたが、それだと三陸鉄道とBRTとJRも使えば石巻まで行けるので「自転車要らんかった」となりかねません。


とりあえず「自転車旅」で来ているため、観光を切り上げて釜石へ向かいます。国道283号(釜石街道)の仙人トンネルが自転車には危険ゾーンらしいので、隣の県道35号を走りますが、登り区間の半分くらいは押し歩き。

荷物搭載のブロンプトンでも5年前なら気合と根性で上ってしまう区間でも、50歳過ぎると急激に体力と脚力が落ちるのかすぐにギブアップ。そのつもりで、急坂区間を含めてグロス15km/hだった設定を12km/hまで下げていますが、あまりにも押し歩きが多いためグロス10km/hペースです。


12時35分、ようやく峠です。上り始めて11kmの区間に1時間30分要しました。ここからひたすら下りですが、とにかく寒いです。


売店みたいなところで饅頭を購入。温かいものを売っていないので哀しい。自販機もすべて「冷たいもの」になっています。


震災の影響はまだまだ残っているようです。まだ完全復旧までに5年以上掛かりそうな雰囲気。


疲労困憊で15時30分ごろに宿に到着。


とりあえず1時間ほど休憩タイム。


雨が降り続いているため、釜石市内を散策します。


三陸鉄道の釜石駅。気合があった5年前なら宮古市まで列車移動して、そこから釜石まで自走で戻ってくるプランを立てますが、今ではとても無理です。


強風の釜石港では傘を差すのも大変。


宿に戻って夕食タイム。2食付きで予約した人が少ないのか、なぜか貸し切り状態でした。料理は美味しいのにもったいない。さらに夜食のラーメン付き。

5月1日


朝食バイキングのカレーライスが美味かった。


今日の天気も微妙です。雨が降り出す前に少しでも進めたいところですが、序盤から平坦区間がないアップダウンの連続です。


どこまで行っても平たんになりません。相変わらず押し歩きが多いため、グロス10km/hペースで進みます。


なんと梅が咲いている。


13時40分、ようやく最初の立ち寄りポイントの「奇跡の一本松」。


14時20分、宮城県に突入。


2か所目の立ち寄りポイント「巨釜半造」。さてあとは気仙沼の宿まであとわずか。やれやれと安心しきっていると…


なんと、平均勾配8%の峠越え。2kmほど押し歩き。こうなると自転車旅である必要があったのか疑問に感じます。


17時50分ごろに宿に到着。


疲れすぎて食欲がありません。米を半分くらい残してしまいました。

5月2日


代わりに朝食バイキングをガッツリといただきます。


昨日は気仙沼観光ができなかったため、序盤は観光タイムです。


日本で唯一のサメ博物館「シャークミュージアム」。


雨の後は強風は定番ですが、海に近いためか爆風です。天気予報では「西風」になっていたため南下するなら問題ないかと思いましたが、なぜか向かい風です。


宿から僅か18kmの距離にある「岩井崎」で「これやばいかも」「グロス10km/hを切るかもしれん」と焦り始めます。

「釜石~気仙沼」の区間と違って非常に交通量が多く、大型車が後ろに着くたびに待避できる場所まで気合を入れて走る必要があります。強引に追い抜く車は皆無で、安全に追い抜けるまで待ってもらえるのはありがたいのですが、それが逆に申し訳なく感じます。

さてさてどうしようかなぁと悶々としていると…


なんと! BRT(バス高速輸送システム)のバス停です。躊躇なくブロンプトンを停めて運行状況を確認。BRTなら日曜祝日も運行しています。路線図を見ると爆風の向かい風の区間を全てワープできそう。問題は時間で、「柳津」まで行く便は1時間に1本あります。次は30分後。列車代行バスですのでブロンプトンなら持ち込み可能なはず。

ということであっさりと自走を断念。こういうこともブロンプトンの利点です。


13時15分、約40kmのワープ終了。自走していたら15時30分になっていた可能性大です。


花まつり開催中の「奥州柳津虚空蔵尊」に立ち寄ります。


15時10分、石巻の宿に荷物を置いて…


石巻は2013年11月の時より観光客が非常に多いです。GW期間だけの現象なのか、それとも普段の休日も観光客が多いのでしょうか。


ドキュメンタリー番組を見たときに「ここに行かなければ」と思った場所です。


復興の進み具合が早い女川駅周辺でグルメの予定でしたが、残念ながら17時には殆どが店じまい。


女川駅から石巻駅までJRで戻ります。石巻から女川までは爆風の追い風でしたので、とても自走で戻ることはできません。


駅近くのコンビニで食料を調達。

5月3日


シンプルな朝食。


往路の激混み具合を考慮すると復路は少しでも身軽にしたい。ホテルのフロントに相談してみると、宅配業者に連絡していただき、ブロンプトンを宅配できることになりました。なるべく小さくしたいため、サドルも外しています。雨具や着替えなどをクッション代わりにしています。結果的にブロンプトンを宅配したことは正解でした。最終日の松島から仙台までの区間が激混みで大きな荷物はひんしゅくを買います。預ける荷物が無ければ空港カウンターに並ぶ必要はなく、空いているタイミングで保安検査場を通ることができます。そして、セントレアで荷物を待たずに名鉄に乗れるためタイミングよく特急の乗車でき座ることができました。


石巻の町には石ノ森章太郎作品のモニュメントがあちこちにありますが、2013年11月とは少し変わっていたため、それらを見ながら某場所に移動。


田代島行きの船乗り場には8時30分に到着。チケットを購入してトイレを済ましている間に既に長蛇に列になっています。


猫島で超有名な「田代島」は尋常ではないくらいの観光客が押し寄せています。


猫ちゃんを撮りながら散策。


人懐っこい猫ちゃんも居れば、人の相手をしない猫ちゃん、やたらと警戒する猫ちゃんなど、見た目だけでなくいろんな猫ちゃんがいます。


写真を撮っていると「遊んで」と寄ってくる猫ちゃんもたくさんいます。


田代島に渡る観光客があまりにも多くて、臨時便をバンバン出航させていますが、そのことで石巻に帰ることが困難になってきます。


私は田代島から網地島に移動。


網地島にも猫ちゃんがいるらしいのですが、時間帯の問題なのか見かけたのは数匹のみ。


今回は2日目と3日目が雨、4日目が爆風と苦しめられましたが、メインの5日目は絶好の撮影日和になりました。


田代島から網地島に来たのは数人だったため、網地島から石巻に戻れば大行列に並ぶ必要はありません。


石巻に戻て「元気丼 1250円」をいただきます。


とりあえず目的を達成できたので、独り祝杯です。

5月4日


昨日よりさらに普通になった朝食。


7時30分の列車に乗りたいため少し早めに宿を出発。さらば石巻、またいつか。


松島海岸を1時間ほど散策。有名どころゆえか、8時30分時点で観光客が非常に多かったです。


復路は乗り換え時間の無駄がないように組んだため、10時30分に仙台空港に到着。


しばらく仙台空港内を散策。


そして、仙台名物「牛タン焼き定食 1780円」をいただきます。


仙台空港の展望デッキも観光客で埋め尽くされていました。「どこに行っても大勢の観光客がいる」そのものです。


しばらく飛行機撮影を楽しんで後に土産を購入。

自宅まで順調に進み、15時30分少し過ぎに帰宅。


今回のルート。

交通費 : 46670
宿 : 36020
飲食 : 8057
観光 : 820
その他 : 4941
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合計 96508円

初日 : 走行距離 52.1km、獲得標高 441m
二日目 : 走行距離 69km、獲得標高 869m
三日目 : 走行距離 93.5km、獲得標高 1697m
四日目 : 走行距離 74.5km、獲得標高 546m



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